このところ続けて二胡を作っています。
と言っても私の事ですから、せいぜい月に一台なのですが、
今、里地帰君に頼まれて、和胡(欅の人工皮)3台作り始め、さて仕上げて、弾いたところ、今まで作った欅材の二胡の様な振動を手に感じないのです。
胴を作りなおしたり、和紙を張り替えたりといろいろやってみたのですが、どうも思わしくないのです。
そこで、今度作った、胴に、以前から残してある欅の棹を付けてみました。
鳴るのです、とっても気持ちの良い振動を手に伝えます。
これは棹だなと、棹だけ作り替えることにしました。
今のはかなり綺麗な木目で真っ直ぐなもので、見た目にもきれいだし、この木目なら曲がらないだろうと、作ったものです。
木の質もとても硬くて良いはずだったのです。
ところが思ったようには振動しない。
骨伝導で調べてみても、キンとした良い響きなのです。この骨伝導で木の振動を調べる方法いつか人に伝えないといけないですね。
単に木をたたいた音ではなく、耳に直接的に響かせる方法です。
まあそれはともかく、これはどうやら、木目が真っ直ぐで硬ければよいという事では、なさそうなのです。
通常私は、棹に丸太の中でも一番硬いとされている、木の芯に近いところを使います。
以前使っていた棹に作った、欅は、多少曲がりがあるものの、良く乾かしてその曲がりを抑えてあったものです。
そういえば先日新潟のお客さんに送ったハカランダの棹も、最初は真っ黒なかなり筋目の良い真黒を使ったのですが、
何となく、これは気分としてなのですが、気に入らないそこで多少茶色が混ざって入るけれど、とても粘りのある材の棹に変えたところ、これがまあ、良く鳴るし、良い音色になったのです。
そこで、こんどの欅の材の中でも、かなりアテに近くはあるのですが、良く乾かしてあるので問題ないだろうと、それで棹を作り始めました。
アテとは、木の部分の呼び名の一つです。このように傾斜地に生えた木は一度は地面に垂直に立ち上がり、それから真っ直ぐに上に伸びていきます。するとその曲がったあたりは、木の重さを支えるため、かなり質として粘りも硬さも増えてきます、この部分はとても強いのですが、製材した後大変動きます、たまっていた力が、いっぺんに開放されるために動きます。しかし時間をかけてゆっくりと、削り合わせていくと、何とかその動きは収まります。しかし元が30ミリくらいあったものがその削り合わせで20ミリ以下の太さになってしまいますが。
また紫檀黒檀などの硬い木は、アテの部分を使うと折れます。亀裂が入ったりもします。欅も硬いのですが、紫檀黒檀などとは繊維質の強さが、粘りが違いますね。
欅に関しては、以前は何となくこの材は良い響きがするなと使っていたのですが、ちょうど材料が切れたこともあり、今回は他の材を使ったのでした。
しかし楽器は正直なもので、その響きに材の違いが、はっきりと表れますね。
そこでほかの丸太から製材してあった、アテに近い芯の部分を使ったところ、以前の鳴りを取り戻した和胡達でした。
大変お待たせいたしましたが、良い楽器お届けいたします。
仕上がりにあとしばらくはかかりますが、今しばらくお待ちください。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ
と言っても私の事ですから、せいぜい月に一台なのですが、
今、里地帰君に頼まれて、和胡(欅の人工皮)3台作り始め、さて仕上げて、弾いたところ、今まで作った欅材の二胡の様な振動を手に感じないのです。
胴を作りなおしたり、和紙を張り替えたりといろいろやってみたのですが、どうも思わしくないのです。
そこで、今度作った、胴に、以前から残してある欅の棹を付けてみました。
鳴るのです、とっても気持ちの良い振動を手に伝えます。
これは棹だなと、棹だけ作り替えることにしました。
今のはかなり綺麗な木目で真っ直ぐなもので、見た目にもきれいだし、この木目なら曲がらないだろうと、作ったものです。
木の質もとても硬くて良いはずだったのです。
ところが思ったようには振動しない。
骨伝導で調べてみても、キンとした良い響きなのです。この骨伝導で木の振動を調べる方法いつか人に伝えないといけないですね。
単に木をたたいた音ではなく、耳に直接的に響かせる方法です。
まあそれはともかく、これはどうやら、木目が真っ直ぐで硬ければよいという事では、なさそうなのです。
通常私は、棹に丸太の中でも一番硬いとされている、木の芯に近いところを使います。
以前使っていた棹に作った、欅は、多少曲がりがあるものの、良く乾かしてその曲がりを抑えてあったものです。
そういえば先日新潟のお客さんに送ったハカランダの棹も、最初は真っ黒なかなり筋目の良い真黒を使ったのですが、
何となく、これは気分としてなのですが、気に入らないそこで多少茶色が混ざって入るけれど、とても粘りのある材の棹に変えたところ、これがまあ、良く鳴るし、良い音色になったのです。
そこで、こんどの欅の材の中でも、かなりアテに近くはあるのですが、良く乾かしてあるので問題ないだろうと、それで棹を作り始めました。
アテとは、木の部分の呼び名の一つです。このように傾斜地に生えた木は一度は地面に垂直に立ち上がり、それから真っ直ぐに上に伸びていきます。するとその曲がったあたりは、木の重さを支えるため、かなり質として粘りも硬さも増えてきます、この部分はとても強いのですが、製材した後大変動きます、たまっていた力が、いっぺんに開放されるために動きます。しかし時間をかけてゆっくりと、削り合わせていくと、何とかその動きは収まります。しかし元が30ミリくらいあったものがその削り合わせで20ミリ以下の太さになってしまいますが。
また紫檀黒檀などの硬い木は、アテの部分を使うと折れます。亀裂が入ったりもします。欅も硬いのですが、紫檀黒檀などとは繊維質の強さが、粘りが違いますね。
欅に関しては、以前は何となくこの材は良い響きがするなと使っていたのですが、ちょうど材料が切れたこともあり、今回は他の材を使ったのでした。
しかし楽器は正直なもので、その響きに材の違いが、はっきりと表れますね。
そこでほかの丸太から製材してあった、アテに近い芯の部分を使ったところ、以前の鳴りを取り戻した和胡達でした。
大変お待たせいたしましたが、良い楽器お届けいたします。
仕上がりにあとしばらくはかかりますが、今しばらくお待ちください。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ