これはみなさんよく見かける金属軸ですね。
この先端の丸い部分に弦を巻き付けて、弦の調弦をするものです。
なかなか良くできていて、大変微妙に調弦が出来ます。
ただ、この丸いところの内部の金物がかなり雑に取り付けられているものもあったりして、ぎくしゃくとした動きをするものも、まあ、あります。
それは直せないのです。交換するしか仕方がないですね。
それはともかく、金属軸には二つのタイプがあります。もう一つがこのボルトをひきこむタイプです。
どちらも共通して言える問題点は、この先端の真鍮の部分が経年変化とともにネジが緩んできて、ガタガタと揺れるようになります。
そうすると弾いている時に調弦が狂ってきてしまいます。
これはどちらのタイプも後ろのネジを絞めあげれば良い子事でそれほど問題はありません。
このボルトをひきこむタイプは持ち手の木の部分の外してしまえば、このネジを絞めればよいだけです。
ところがもう一つのこのタイプは、
このように内部のボルトに鉄のピンが刺さっているものがほとんどでした。
このピンを外すために以前は木の部分に大きな穴を開けてピンを引っ張り出さなければ、木が外れなかったのです。
そうなるともう皆さんではとてもやりきれない仕事で、私もかなり苦労しました、あとから補修するのも大変でしたし。
今回お預かりしたのをふと見ると、なんと、今までとは違い、ただの鉄のピンではなく、ネジになっていました。
この穴に小さなボルト埋め込んであったのです。
これなら精密ドライバーを持っている方ならどなたでも外せます。ネジを外して、内部のこのボルトを受けているネジを、絞めれば先端の真鍮の金具のゆるみは止まります。
暫くこのタイプの金属軸を見ないうちに進化して大変簡単に直せるようになっていますね。
何時頃からなのでしょう?多分この4,5年前からかもしれませんね。
今後はこの方法が主力になるでしょうから、弦を受けるところの金物さえきちっと作られていれば、大変使いやすい金属軸になったと思います。
こうやって少しずつでも楽器は進化していくのですね。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ