二胡工房 光舜堂

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二胡の形は、太鼓?

2011-12-06 12:23:48 | ■工房便り 総合 
二胡はスピカ―という考え方と、太鼓という考え方が有ります。

どちらも、その長い円筒(6角8角の)つつであるということでしょう。

私の考えは、太鼓に近いのではないか、小さく震える駒が、胴を叩いているという考えです。

勿論スピカーと言う考えもあるのです。

振動膜が、空気を直に振動させるということです。

蛇皮が、振動していますので、そう考えることもできるでしょうね、

その二つの考え方によっては、二胡の構造が変わると思います。

太鼓と言うのは、胴を構成する、木や金属の部分の響きが中心になる考えでしょう。

スピーカーと言うのは蛇皮が、振動するのを中心に考える方法だと思います。

蛇皮の振動を、木を揺らすことに重点を置くか、

蛇皮の振動を、胴の内部で拡大すると言うことに重点を置くか、という違いのようです。

この違いの答えは、今は私の知識と力では出ません。



②~③の処を見て下さい。

上二つは、下に(外に)窪んでいます。

古い蘇州型は、窪みが小さいです、平らな板の一部を削り取ったという感じです。

これは内部の空気をより揺らすためと言うことなのでしょうか、

三番目の北京型に比べると音が揺れるのは皆さんもご存じだと思います。

比較的音の大きさより、揺れを意識したものなのかもしれません。

三番目の北京型はここが平らです。ですから音は揺れずにストレートで外へ飛び出すのでしょう。

ですから北京型は後ろに音が大きくなるという感じをうける人も多いと思います。

ましてや北京型は内部が、完全な円筒です。外は8角形に見えますが、内部は円筒なのは、お持ちの方は除いてみればわかると思います。

円筒は、綺麗に音が回るはずです。木の振動の歪みと言うのも有りますが、皮の振動を平らな木を振動させながら、外に素直に向かっていくのではないでしょうか。

とすると、スピーカーのようでもありますね。

ですから、北京型は大きく後ろが開いています。

一番目二番目の蘇州型は花窓がかなり、半分ぐらいの面積は木の透かし彫りで閉じられています。
花窓にはそれぞれ作家のデザイン的な要素も多くみられますが、音の構造的になにか凄い役目があるかと言うと、あまり役目はないようなのです。

勿論、あるとないとでは多少の違いは有りますが、これを取ったとしても、大変音が大きくなるわけでもありませんし、多少こもらなくなるという感じです。

長い間にこの花窓がとれてしまった方もいらっしゃると思います。

この花窓がとれて音に大きく違和感を感じられた方はいらっしゃいますか?

さて、①~③の部分です。

二番目の蘇州型(上海型)はこの部分が大きく窪んでいます、外側と合わせると、外に膨らんでいるようにさえ感じられます。

その前の古い蘇州型に比べると、音は大きくなります。

もしかすると、これは音を大きく響かせるためなのでしょう、

太鼓の胴にこの部分は感じが似ています。

この部分の削り方次第では、低音の響きと言うのがかなりはっきり変わります。

低音を司る部分のようです。

アフリカのジャンベなどはこの部分がこのように(上海型のように)大きくなっていて、そのすぐ後ろが大変小さくなっています。

そのおかげでジャンベは、高い音から低い音まで良く出る太鼓と言われます。

そいう点では蘇州型は太鼓に近いのでしょうか。

4番目のものはこの部分②~③がほぼ平らです。多少全体にへこんでいますが、蘇州型ほどではなくむしろその前の②の処の出っ張りがなければ、殆ど北京型と言っても良いと思います。

音を大きく出すという点ではこの②~③の処が平らに近い方が良いのでしょう。

音がストレートに出ていく感じは有ります。

この部分のカーブ次第では、低音部の響きが凄く変わると言うことです。

でもホントに微妙なのです、0,1mm抉りが大きくなるだけで、今度は中間部の音が割れてしまいます。

今の処このくらいのへこみ具合がバランスが良いようですが、木の種類によっても、このカーブは変えなければいけません。

柔らかい、花梨等はへこみが少し大きくても、中間部の音は割れませんが、ホンジュラスのように硬い物や黒檀等は、この部分はストレートの方が、低音と中間部のバランスが良いようです。

次は③~④です。

多分、この文章に辟易とされていらっしゃる方も多いと思いますが、たまにほぉさんも書きますので、いましばらくお付き合いください。







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1 Comments

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まぁ~ (ぢみ)
2011-12-07 21:05:06
太鼓かスピーカかっていう議論は不毛というか、あまり意味のないことのように最近は思います。
筒内部の拡張部分は定性的にはバネになるので、そこの容量が大きいほどバネ定数が下がるので、共振周波数が下がります。つまり低音が強調されるってことになります。
4番目のものは後端にいくにしたがって絞られているように見えますが、そうなら、そこは質量として働くので、絞れば絞るほど質量が増すので、これまた低音側に共振がずれます。
ただ、微妙な変化なので、どこまでそう働くのかは分かりません。その中間的な要素として働いている可能性もあります。

それで確かに筒の共鳴を利用していますが高周波では筒自体がぐにゃぐにゃに振動しているので、そこの表面が膜振動をして音が発生している可能性もあります。

それで実はいつも気になっているのですが、皮の正面からも音は出ているはずで、これの影響ってどうよ?ってのが疑問です。

正面からの音がなくなったらこれまた変な音のような気がしますです。
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