調整というのは、千斤を取り換えたり、巻き数や高さも変えたり、駒の種類を変えたり高さや大きさを現状の皮の状態に合わせて削り込んで取りつけたり、弦の状態や、弓の状態や、木軸の状態を確認したり、或いは日頃の手入れの状況をご相談したりすることと考えて下さい。
二胡の健康診断と、能力アップということも出来ます。
治すというより、健康体に戻すとも言えます。
修理とは違います。
調整で本来の二胡の力を出せないこともあります。また修理でも治らないものもあります。
以下読んでみてください。
●二本の木軸の間が短い物(通常74ミリそれ以下のものが多い)、
その結果として内弦と外弦の音質が変わります。
これは中国の古い作りの物は、殆どがそのようになっています。その音の違いが二胡であると考えられているからです。殆ど半分くらいがそうです。それを雑音として聴いてしまう方も多くいらっしゃいますが、多少は直せますが、二胡の根本の問題ですから買い換えるきり仕方無いと思います。今は中国製でも74ミリに近い物で、内弦と外弦の音質があまり変わらないように作ってあるものも沢山あります。
http://blog.goo.ne.jp/ko-shun-do/e/07c8938cf3d7a220efceb3a1e95384f9
●皮の歪みによる、雑音
これも張り替えるきり治りません。一時は駒を変えたり千斤を変えたりすることでよくはなりますが、歪みが進行した場合、張り替えるしか仕方がありません。
●オイルを皮に塗って、皮が軟らかくなりすぎた場合。
これも張り替えるきり仕方がありません、これも一時は、高さのある駒をつけることで直すことは出来ますが、もう既に皮が軟らかくなっていますので、高さのある駒により張力をあげますから、皮の緩みは進行します。
決して皮にオイルを塗らないでください。
●胴の木が柾目に取られていない場合、
通常二胡の胴の木は柾目(直線のストライプに見えます、)に取ります、木が収縮したとしても同じ方向にきれいに収縮しますから、皮は全体に緩むことになります。そうすれば音としては雑音も無く違和感も無い物です。
木が板目に取ってある時は(木目が曲線の輪になっていたり曲線だらけに見えます)、一枚一枚の板が反り上がります、それぞれ違う動きがありますから、皮は一定の張力にはなりません。
この場合木の動きが収まるまで皮を張り替えても無駄になります。木の動きが収まるのは、樹種にもよりますが、通常15年以上かかります、その二胡の木がどのくらい乾かして有るかは解りませんが、購入されてからの年月を教えていただければ、多少予測はつきます。
●金属軸が壊れた場合、
ボルト式のものは、分解して直すこともできます。
ギア式のものは直せません。中国でもこれは直さずに買い換えるそうです。
≪調整で治せるもの≫
●多少のウルフトーン、
軽い症状の時には、駒の種類を変えたり、高さを低くすると直ります。
酷い物は花窓をこわすか、(外せない場合が多いのです)皮を張り替える時になおせます。
8角形の場合は後ろが大きく開いていますので修理ということでは治せます、調整では治せません。
●木軸のガタつきによる雑音、
これは開放弦を弾いた時に出る雑音の場合が多いようです木軸を削らなくとも治せる場合も多いです。
●高音が出にくい物、
これも千斤の巻き方と、駒を合わせて削ることで、調製以前よりははるかに出すことが可能です。
●内弦のハイポジションのかすれ
これも、調製以前よりは良くすることは出来ます。
元の楽器の精度がこのことに一番大きく現れます。
ですから新しく何処かで二胡を購入される方は、この内弦のハイポジションを必ずチェックして下さい。
これらはわりと一般的な雑音や鳴りの悪さです、しかし私に解らないものも当然あるとは思います。
100%ではないとご承知置き下さい、只最善は尽くしてみます。
今までに全く原因のわからない雑音というのが、2台だけありました。
その時にお客様のご了承を得て、お預かりして、全分解してみました。
結論から言うと、胴を構成している、6枚の板の2枚が、(一台は3枚が)種類の違う木でした。
当然種類の違うキー音を持っている物を接ぎ合わせるのですから、これは雑音になります。中国の塗装技術というのは大変素晴らしく、外から見ても解らないほど同じ木に見えていました。
塗装を削ってはじめてわかったのです。
結果一台はどうしようもなく使用しないことになりましたが、
もう一台は、多少近いキー音二なるように種類の違う木を削り込んで、かなり普通の音になりはしました。
後は弾きこみに頼ろうということで、その客様も一生懸命弾きこまれ、今では良い音になっています。(これは光舜堂を始める以前の事でした)
まだまだ私のわからないものもあるとは思いますが、出来うる限りのことはやるつもりでいます。
どうぞ、二胡の雑音等で真剣にお悩みの方は、一度調整にいらして下さい。
西野和宏
二胡の健康診断と、能力アップということも出来ます。
治すというより、健康体に戻すとも言えます。
修理とは違います。
調整で本来の二胡の力を出せないこともあります。また修理でも治らないものもあります。
以下読んでみてください。
●二本の木軸の間が短い物(通常74ミリそれ以下のものが多い)、
その結果として内弦と外弦の音質が変わります。
これは中国の古い作りの物は、殆どがそのようになっています。その音の違いが二胡であると考えられているからです。殆ど半分くらいがそうです。それを雑音として聴いてしまう方も多くいらっしゃいますが、多少は直せますが、二胡の根本の問題ですから買い換えるきり仕方無いと思います。今は中国製でも74ミリに近い物で、内弦と外弦の音質があまり変わらないように作ってあるものも沢山あります。
http://blog.goo.ne.jp/ko-shun-do/e/07c8938cf3d7a220efceb3a1e95384f9
●皮の歪みによる、雑音
これも張り替えるきり治りません。一時は駒を変えたり千斤を変えたりすることでよくはなりますが、歪みが進行した場合、張り替えるしか仕方がありません。
●オイルを皮に塗って、皮が軟らかくなりすぎた場合。
これも張り替えるきり仕方がありません、これも一時は、高さのある駒をつけることで直すことは出来ますが、もう既に皮が軟らかくなっていますので、高さのある駒により張力をあげますから、皮の緩みは進行します。
決して皮にオイルを塗らないでください。
●胴の木が柾目に取られていない場合、
通常二胡の胴の木は柾目(直線のストライプに見えます、)に取ります、木が収縮したとしても同じ方向にきれいに収縮しますから、皮は全体に緩むことになります。そうすれば音としては雑音も無く違和感も無い物です。
木が板目に取ってある時は(木目が曲線の輪になっていたり曲線だらけに見えます)、一枚一枚の板が反り上がります、それぞれ違う動きがありますから、皮は一定の張力にはなりません。
この場合木の動きが収まるまで皮を張り替えても無駄になります。木の動きが収まるのは、樹種にもよりますが、通常15年以上かかります、その二胡の木がどのくらい乾かして有るかは解りませんが、購入されてからの年月を教えていただければ、多少予測はつきます。
●金属軸が壊れた場合、
ボルト式のものは、分解して直すこともできます。
ギア式のものは直せません。中国でもこれは直さずに買い換えるそうです。
≪調整で治せるもの≫
●多少のウルフトーン、
軽い症状の時には、駒の種類を変えたり、高さを低くすると直ります。
酷い物は花窓をこわすか、(外せない場合が多いのです)皮を張り替える時になおせます。
8角形の場合は後ろが大きく開いていますので修理ということでは治せます、調整では治せません。
●木軸のガタつきによる雑音、
これは開放弦を弾いた時に出る雑音の場合が多いようです木軸を削らなくとも治せる場合も多いです。
●高音が出にくい物、
これも千斤の巻き方と、駒を合わせて削ることで、調製以前よりははるかに出すことが可能です。
●内弦のハイポジションのかすれ
これも、調製以前よりは良くすることは出来ます。
元の楽器の精度がこのことに一番大きく現れます。
ですから新しく何処かで二胡を購入される方は、この内弦のハイポジションを必ずチェックして下さい。
これらはわりと一般的な雑音や鳴りの悪さです、しかし私に解らないものも当然あるとは思います。
100%ではないとご承知置き下さい、只最善は尽くしてみます。
今までに全く原因のわからない雑音というのが、2台だけありました。
その時にお客様のご了承を得て、お預かりして、全分解してみました。
結論から言うと、胴を構成している、6枚の板の2枚が、(一台は3枚が)種類の違う木でした。
当然種類の違うキー音を持っている物を接ぎ合わせるのですから、これは雑音になります。中国の塗装技術というのは大変素晴らしく、外から見ても解らないほど同じ木に見えていました。
塗装を削ってはじめてわかったのです。
結果一台はどうしようもなく使用しないことになりましたが、
もう一台は、多少近いキー音二なるように種類の違う木を削り込んで、かなり普通の音になりはしました。
後は弾きこみに頼ろうということで、その客様も一生懸命弾きこまれ、今では良い音になっています。(これは光舜堂を始める以前の事でした)
まだまだ私のわからないものもあるとは思いますが、出来うる限りのことはやるつもりでいます。
どうぞ、二胡の雑音等で真剣にお悩みの方は、一度調整にいらして下さい。
西野和宏