二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

日本の二胡の現状について、未来へ。

2012-07-11 09:28:28 | ■工房便り 総合 
大変長い項になっていしまいましたが、現状というのがある以上未来も有るわけです。

この現状を下敷きにして少し未来のことを考えてみましょう。

そうすると、今どうするべきかが見えてくるということもあるかもしれません。

温故知新という言葉も有りますが、未来を考えれば今が見えるということもありうるのではないでしょうか。


先日程農化先生が無くなられました。

その後どうなるのかと教室のことを人ごとながら、考えたり、御子息とお会いして、相談されたというより、初めてお会いして意見交換などしました。

人様の情報でですから、詳しくは書きません。

言えることは、この子(まだ20代の半ばですので)は良いなーーということです。

亡きお父様の薫陶を受けてかどうか、とても頼もしい、私としては大好きなタイプの男子でした。

このようなことがあると、人は様々に自薦他薦で、いろいろ話を持ち込むようですね。(見苦しいとも言えます。)

私の意見は一つです。

これだけ判断力の豊かな子ですから、周りの大人の提案全て振り払いもちろんこの私の意見も、自分の見えていることだけで進めたらよいですよ。ということでしかありません。


間違っても良いではないですか、それを何とかする力のある子だと感じました。

こんな状況がいずれ来ますね。

多分20年以内に、あちこちで。教室の相続問題で必ずや、今の大教室は四分五裂していきます。

その間に日本人の先生が相当育つはずなのですが、音楽を良く演奏する事と、教室をよく運営するのは違います。

日本人の教室が増えてくれると良いのですが、それ以前に少しは新しい中国人の演奏家が来日されることも大いにあり得ます。

中国では今二胡を習う人が減っていると言います。

二胡を知らない人も多いのです。

日本の戦後の頃と同じで、殆どすべての音楽志向がヨーロッパ音楽と、洋楽器に向いています。

ですから、中国ではどんどんこれから、二胡人口は減っていくでしょう。

そうすると今二胡を勉強している人達はその活躍の場を海外に求めるきりないのではないでしょうか。


日本では、それまでは今の状況とそれほど変わりはしないと思います。

かろうじて、可能性がるとすれば、中国の二胡の生産方式が偉く変わるか、或いは日本の中にも数人の二胡作りがでてきて、日本の二胡が、皆さんの中にも浸透していくことでしょう。

ほんとなら、私も多少の量産方式を取り入れて、せめて10万円台20万円台の二胡を作れれば、多少の影響力も出るのかもしれませんが、

私自身が、まだまだ上を目指したいのです。

誰にでも弾きやすく。

重低音が出て、

パンとした鳴りを持ち、

全音に渡ってクリアーに響き、

ヨーロッパの楽器と一緒に演奏したり、

或いは録音したりでき、(これは二胡の今一番の問題かもしれません、というのは二胡は他の楽器と録音すると、その音だけ拾い出すのにマイクを近ずけることが大変難しいのです。雑音だらけになってしまいます。そこで仕方なくオフマイクと言ってマイクを遠ざけ、るを得ず、そうするとそのマイクは他の楽器の音まで拾ってしまいやすいのです。
ですから後処理でかなり手の込んだことをしますが、そうすると、生の音からほど遠くなってしまいます。ですから、先生方の生の音を聞いた時にCDと違うと感じる方も多いのだと思います。)

又生音で500人ぐらいまで通るようなボリュームの出る楽器。(今は300人ぐらいは大丈夫だとある演奏家が生音で試してみたとお聞きしました)

これが私の目指すところです。

もしこのような二胡が出来上がったとしたら、それは多分、バイオリンとビオラダモーレの音の違いぐらいになるはずです。

三線と、太棹三味線のボリュームの違いぐらいになると思うのです。

この時に、民族楽器の二胡と楽器としての完成度を追い求めたもの結果というのがはっきりわかると思います。

中国では、製作者たちはこれを追い求めています。

少しづつ皆の工夫が積み重なって、いつかそのような楽器が出来ると思うのです。

今バイオリンの音に飽き足らず、より音色重視ということで、反対に古い楽器の楽団なども作られています。
しかし、今の中国の二胡離れから考えると、二胡を作る人も減っていくようには思えるのです。

これも有りだと思うのです。

中国の民族音楽を弾く為の、従来の二胡は残って行くと思います。これは蘇州型になるでしょう。

木としては、パドークや、アフリカンマホガニー或いは、バリサンダーが有力なものになると思います。

反対に楽器としての完成度、ヨーロッパ型を追求したものは、丸くなるのではないかと私は考えています。

完全な丸かどうかは分かりませんが、いまの8角形を追求していくと丸くなります。

もうすでに、8角形の中身というのは、覗いてみると解りますが丸なのです。

外形まで丸が良いかどうか?これはまだ答えは出ていません。

木の種類で行くと、チンチャンや、アフリカンブラックウッドなどのように、かなり硬さのある木で、細かい導管を持ったものが一番安定した鳴りになります。

木全体に渡って斑が無いのです。

勿論木ですから均一というほどではありませんが、バリサンダー等のように、木の芯のところと周辺部との差が大きい木に比べると、チンチャンや、ブラックウッドは均一と言ってよいくらいです。

黒檀は、日本に残るかもしれません。中国ではしだいに使われなくなるのではないでしょうか?

どうも、中国人の方の好みは紫檀系に集まります。

日本人の好みは、見た目からかもしれませんが少し沈んだ音の黒檀に偏るようです。

もし私が、量産というのをやったとしたら、方向は二つになると思います。

バリサンダーと、花梨。それに中程度の皮を張って、胴の形状は6角形でしょう。

但し、全体に渡って、丸みを帯びて、柔らかな形になり、音的には、中国音楽にも合いそうな明るく華やかなものになりそうです。

もう一つは、縞黒檀でしょう。

縞黒檀の、色っぽい音色を強調し、なおかつ、ボリュームと鳴りを引き出す形、限りなく円に近い形の12角形でしょう。

皮は、上級品が使われますから量産と言っても、今よりはという程度かもしれません。



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