フルール・ダンテルディ

管理人の日常から萌えまで、風の吹くまま気の向くまま

coming and going letter-3-

2010年05月15日 | テガミバチ関連
注意!!
①これはいわゆるボーイズラブというジャンルの女性向け小説であり、同性間の恋愛を扱っており、性的表現を含みます。このジャンルに興味のない方、そのような内容を苦手とする方はお読みにならないよう願います。
②テ○ミバチ「サンダーランドJr.Xゴーシュ」です。このカップリングやゴーシュ受が苦手な方はご遠慮ください。
③設定については大部分捏造しております。くれぐれも信じないように!(笑)
④文章の一部は、うっかり目に入らないよう反転させることがあります。反転箇所は携帯からは読めません。ご了承ください。


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 唇が触れた瞬間、ぴくりと体を引いた彼をおびやかさないように、もう一度そっと重ね、柔らかく食んだ。彼が嫌がっていないか確認しながら──普段片目でしか見ていないのだから、その分目を開けていたっていいだろうというのは勝手な理屈だが──次第に動きを加えていく。そのたびに彼は身を硬くしたが、最後には私の手を強く握りしめて、忘我の表情で私の口づけを受け入れていた。
 まだ物足りなさを残しながら、私は唇を離した。ゴーシュは口づけの余韻のせいか、どこかぼんやりとした幼げな表情で私を見ていた。このまま彼を押し倒してしまいたいくらい欲望が膨れ上がってはいたが、私はそれを抑えて、つとめて冷静さを保った。
「……今夜、食事に誘ってもいいか?」
「はい……あ」
 夢から覚めたようにゴーシュは瞬きすると、困惑の表情を浮かべて視線をさまよわせた。私は、唐突すぎただろうかと焦った。
「すみません、妹に夕食を食べさせてからになりますから、少し遅くなってもかまいませんか?」
「ああ、もちろん。私ももう少し仕事を片づけなくてはならないし」
 内心ほっとしながら、私は答えた。
「それでは、こちらに伺えばいいですか?」
「そうだな……」
 日頃、BEE‐HIVEの食堂か、市場で惣菜を買って食事を済ますことがほとんどの私は、誘っておいて今さらだが、思い浮かぶ行きつけの店は限られていた。その中でいちばん気に入っている店は、最初にロイドに誘われて行った料理店なので、ロイドと出くわす可能性もないわけではなかったが、あとの店は初デートで行くにはカジュアルすぎた。
「いや、どこかで待ち合わせよう。奏鳴通りの時計屋は知っているか?」
「ええ」
「そこに20刻でどうだろう」
「わかりました。誘ってくださってありがとうございます、博士。ではお先に失礼します」
 ぺこりと頭を下げられて、私は複雑な気分になった。もしかしたら仕事場の先輩に食事に誘われたぐらいにしか思っていないのでは?下手をするとさっきのキスも、本気で単に手の代わりに「触れた」と解釈しているのかもしれない。……いや、いくらあのスエードでも、唇にキスするのがそういう意味だとわからないはずはないだろうが……。(あの、というのは、彼がどうも奥手らしいことを感じていたからだ。以前に食堂で、他のBEEたちと食事をしているのを見かけたとき、誰かが下ネタのジョークを飛ばして笑いが起こったのに、彼はきょとんとしていたことがあったからだ)
 終業後一旦アパートに戻り、薬品や動物たちの臭いの滲みついた服を脱いでシャワーを浴び、スーツに着替えた。濡れた髪を乾かすのに手間取り、約束の時間に少し遅れてしまった。道端に立っているスエードを見つけたとき、私は時計屋の前でなど待ち合わせるのじゃなかった、とほぞを噛んだ。
「スエード!…すまない、遅くなった」
 駆け寄った私に、ショーウィンドウを覗きこんでいたスエードは、振り返って微笑んだ。
「いいえ、そんなに遅れてませんよ。それに、ほら、この時計」
 スエードはガラス越しにひとつの置時計を指差した。
「まだ19刻ですから」
 彼はニコッと笑った。
「スエード……」
 麻酔弾を撃たれたように、私はその場で動けなくなってしまった。それとも強心剤かもしれない。うるさいくらい心臓が脈打ち、私は彼を抱きしめたい衝動に耐えなくてはならなかった。
「……行こうか」
「はい」
 私は彼の冷たい肩を抱いて歩き始めた。彼の柔らかな髪からは、石鹸の香りがした。


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 この話には全く関係ない、役に立たない人物(?)解説。
 銀色ナメクジ・・・(いきなり人物じゃないじゃん!)テガ○バチDVD第1巻に同梱されているドラマCDに登場。サンダーランドJr.博士が経費で購入したが、実は単なる愛玩用で(・・・それは横領と言わないか?)、撫でたときの感触が辛抱たまらんらしい。うちの猫も撫でるとたまらんです。長毛の猫の腹に顔を埋めては「もふもふ~」、短毛の猫を撫でては「すべすべさらさら~」と手触りを楽しんでおります。
 こどもの頃はワタクシ、ネコヤナギの芽を偏愛しておりまして、早春、枝についた銀色の芽を収集しては箱に入れ、そのツヤツヤすべすべの毛を撫でて猫代わりにかわいがっておりました。(今から考えるとちょっと変態っぽい・・・)猫なんて飼ってもらえなかったですからね・・・。
 想像するに、銀色ナメクジもきっとネコヤナギの新芽のように銀色の艶々の毛に覆われているに違いない。そして猫くらいの大きさ。それに頬ずりしてうっとりするサンダーランドJr.博士を想像・・・。カイボーとか叫んでいるよりよほどマッドな感じだナメクジというからにはきっと毛の下は軟体動物・・・移動するとピカピカ粘液の痕が。・・・げえ!ワタクシ脚が2本以上8本までは平気ですが、脚がないのと脚が多いのはダメなんだってばー!ギャーッ!そんなものと道で出遭ったら、鳥肌立てて全速力で逃げるっつーの!博士がゴーシュの銀色の髪を撫でながら、「銀色ナメクジのように気持ちいいな・・・」なんて思っていたのなら・・・フォロー不可能逆ならもっとサイテーだ

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