フルール・ダンテルディ

管理人の日常から萌えまで、風の吹くまま気の向くまま

coming and going letter-5-

2010年05月30日 | テガミバチ関連
注意!!
①これはいわゆるボーイズラブというジャンルの女性向け小説であり、同性間の恋愛を扱っており、性的表現を含みます。このジャンルに興味のない方、そのような内容を苦手とする方はお読みにならないよう願います。
②テ○ミバチ「サンダーランドJr.Xゴーシュ」です。このカップリングやゴーシュ受が苦手な方はご遠慮ください。
③設定については大部分捏造しております。くれぐれも信じないように!(笑)
④文章の一部は、うっかり目に入らないよう反転させることがあります。反転箇所は携帯からは読めません。ご了承ください。

  
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 鍵を開け、彼を先に部屋に入れながら、早くも私は後悔し始めていた。彼を抱きたいと思わなかったわけじゃない。だが、どこかでそうは決してならないと安心していた上での妄想に近いものだった。私にはためらう理由がいくつもあった。
 同性だということは、恋をしてしまった時点で除外した。一つ目は、気の弱いものなら直視できないだろう上半身の火傷の痕。もう一つは……私が彼より14も年上だということだ。年の差は言うまでもないが、それ以上に、今さら恋愛にかける情熱など自分に残ってはいないと思っていたからだった。六年前、私はそれまでの地位や首都暮らしの特権や、婚約者や何もかもを捨てて、半ば自分の人生は終わったと思いながらユウサリにやって来たのだから。
 婚約者──捨てたというより、捨てられたというべきかもしれない。病院のベッドの上で、包帯だらけの私がユウサリへ行くと告げたとき、彼女はついて行くとは言わなかった。私もついて来てほしいとは思わなかったし、もし思ったとしても、彼女が来ることはないとわかっていた。彼女は生温い私などとは比べものにならない野心家で、今持っているものも権利も、何ひとつ捨てるつもりはなかった。私を除いては。
 政府のために働くのはまっぴらだった。しかし政府の矛盾を必要悪として認めざるを得なかった私は、せめて人々のために働こうと、ユウサリ勤務を希望し、今の職を得てハチノスへやって来た。そしてゴーシュ・スエードに出会い、恋をしてしまった。
 見ているだけ、同じ仕事場で働く仲間として、彼と接点を持っていられればいいと思っていた。そうしなければならないと自分に言い聞かせてきた。なぜなら、人に知られる──当の相手にさえ知られるわけにはいかないたぐいの恋だったということもあった。が、私は、自分が恋をしたという事実それ自体に、相当困惑を感じさせられていたからだ。
 ここに来たとき私はまだ26歳だったが、それなりに愛していたと思っていた女性に対する気持ちが、政府やこの社会への失望や嫌悪とともにあっさり冷めてしまったことや、それまでもいくつか経験していた「恋愛」も、自分にとっても相手にとっても、「自分にふさわしいか」「自分に利益があるか」という打算と、その場限りの欲望とで成立していたものに過ぎなかったという自覚から、自分は恋などできない人間なのだと思い込んでいた。したとしても、相手に好かれる要素など何も持っていないのに、無駄だと思った。もはや首都エリートでも今後出世の見込みもなく、それなりに見映えのした容姿も、片目はなく、顔にも、服で隠れているが腹側の上半身にも火傷の痕が残り、人前にさらすことなどできないものだ。これでは一夜限りの情事さえ不可能で、男性機能には何の異常もないことが却って恨めしいくらいだ。
 そんなわけで、26歳にして精神的にも肉体的にも「恋愛」とは無縁になったとうそぶいていた私は、事実それから六年の間、どんな女性にもこころを動かされることはなかった。……もっとも、女性と知り合うことなどほとんどない環境に身をおいていたからと言えないこともない。その中で出会った少数ではあるが女性の「テガミバチ」や部下たちは誰もみな、首都にいた女性たちに比べて純粋でけなげで愛らしく、十分魅力的だと思いはしたが、好意は持っても「恋」にはならなかった。──なのに。
 彼に恋をしてしまった。しかも、自分がするはずもないと思いこんでいた、打算のない恋だと知って、私は無知な少年のように臆している。彼が欲しい、自分を好きになってほしいという望みと、そんな望みはあまりに無分別だ、いい年した大人のすることじゃないと警告する理性との間で、私はずっと振り子のように揺れ動いていた。彼もまた、私に友人を超えた好意を持ってくれて、それどころか「寝たい」とさえ言ってくれ、ここまで来てしまった段になって私は、再び理性の方に心が揺れていた。
 おそらく性行為は未経験だろう彼に、同性とのセックスなど経験させてしまっていいのか?大人として、まだ未成年の(彼は18になっていない!)青年を正しい方向に導いてやるべきじゃないのか?……そもそも彼の私への感情は、恋愛や性愛なのだろうか?身近に自分を庇護してくれる大人を持たず育った彼の、大人の男への憧憬でしかないのではないのか?……仮に恋愛だとしても、実際には性の部分は含んでおらず、ただ私の欲望を感じとって、応えてくれようとしているだけではないのか?


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 すみませんね~~、ぐだぐだと博士の独白が続いて。大人には言い訳が必要なのよ・・・。ついでに素直に他人の心も信じられないわけさー。「汚れちまった悲しみに」なわけ(爆)

 この話には全く関係ない、役に立たない人物(?)解説。
 ラグ・シーイング・・・(お、やっと人物だよ)やたらと人にパンツを穿かせたがる少年。5年後にはやたらゴーシュのパンツを脱がせたがる青年になっているに違いない(幸田の独断と偏見による)。女装が恐ろしいほど似合うかわいこちゃん(ザジ談)。一見礼儀正しく「人は(撃っちゃ)いけませ~ん!」と非暴力主義をアピールしたり、泣き虫ぶりでかわいこぶっているが、騙されてはいけない!奴はノワールに向かって「ゴーシュを取り戻すんじゃない、お前の存在を消してやる!」って心弾(ま、テガミ弾だけどさ)ぶっ放すんだぜい。怖~~~っ!
 ノワールは記憶を失ったゴーシュの新たな人格なわけで、ワタクシなんか甘いからさあ、もしゴーシュが違う人生歩んでいたらこうなっていたのかも、とか、ゴーシュの人格や記憶がわずかでもノワールの中に残っているのかも、とか考えて、「ゴーシュ、思い出して!」とは思っても「お前を消してやる」とは思わないよなあ。ラグは、ノワールが少女に「ロダ」という名前を与えたことを知って、ゴーシュの記憶が残っていると希望を持ったのにさあ・・・それでもこのセリフ。自分が知っている(ここは恋した、とほんとは言いたいところだけど!)ゴーシュでないゴーシュはゴーシュじゃないっつーことで。うわあ、この究極のゴーマン攻め(しかも精神的ドS)め!
 そのうち、うるうるっと涙を浮かべて「ゴーシュ・・・どうして博士や館長にいつも流されてしまうの?ボク、悲しいよ・・・」なーんつって、ゴーシュに二度と自分以外とナニしないと誓わせるようになるに違いない!(この妄想がすでにアウト・・・)それでいて自分がかわいこぶりっこを武器にしてるという自覚はないという憎たらしさ!苦ッ・・・!そんなラグ×ゴーシュ一押しの自分が憎い・・・!

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