フルール・ダンテルディ

管理人の日常から萌えまで、風の吹くまま気の向くまま

coming and going letter-6-

2010年06月06日 | テガミバチ関連


注意!!
①これはいわゆるボーイズラブというジャンルの女性向け小説であり、同性間の恋愛を扱っており、性的表現を含みます。このジャンルに興味のない方、そのような内容を苦手とする方はお読みにならないよう願います。
②テ○ミバチ「サンダーランドJr.Xゴーシュ」です。このカップリングやゴーシュ受が苦手な方はご遠慮ください。
③設定については大部分捏造しております。くれぐれも信じないように!(笑)
④文章の一部は、うっかり目に入らないよう反転させることがあります。反転箇所は携帯からは読めません。ご了承ください。

  
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「座ってくれ。何か飲むか?」
 スエードは首を振った。私は彼と自分の上着をハンガーにかけながら、迷っていた。……何もかもが言い訳だ。私はただ、彼に嫌われたくないのだ。自信がない。この体も、彼から見たら十分に「オッサン」な年齢であることも、今となっては苦々しいだけの「恋愛遍歴」も、彼の目にどう映るだろうか。
「風呂を使うか?」
「いえ、入ってき…あ……お借りします」
 私はバスルームのランプを点け、洗濯してある自分のパジャマと新しい歯ブラシを用意してやった。
 彼が出てくるのを待つ間、グラスに注いだ蒸留酒を空けながら、私はようやく心を決めた。
 バスルームのドアがそっと開いて、おずおずとスエードが出てきた。
「お先にありがとうございます」
 借り物のパジャマに借り物の室内履き、腕に脱いだ服をかかえた彼は、常より幼く少女めいて見えて、私は慌てて目をそらさなければならなかった。
「冷えるから、ベッドに入っていなさい」
 隣りの寝室に彼を案内し、私は朝脱いだままの自分のパジャマをベッドから拾って居間に戻った。
 寝る仕度をしてから寝室に入っていくと、言われた通り毛布の中に入って膝を抱えて座っていたスエードは、ぱっと顔を上げた。
 人工太陽の光を遮るため、寝室のカーテンは厚い生地で作られている。バスルームから持ってきたランプをナイトテーブルに置くと、スエードは眩しげに目を細めた。その表情は硬く、ひどく緊張しているのがわかった。
 毛布をめくり、彼の横に並んで座った。
「……手……」
「え?」
「手袋、はずしたんですね」
「さすがに家の中ではな」
 彼の視線が、私の立てた膝の上に載せた剥き出しの手に向けられていた。
「さわっても……いいですか?」
「ああ」
 私は自分からその手を差し出した。それを両手で包み込むように取り、彼はそっとさすった。
「……熱かったでしょうね……」
「どうだったかな。幸いなことにすぐ気絶したようで、あまり憶えていないんだ。そのあとも一か月くらい睡眠薬と麻酔のせいで記憶が飛んでしまっているしな」
 スエードは目を上げた。
「腕だけではないんですか?」
「……ああ。腕と…腹と胸だ。……見るか?」
 彼は私をじっと見つめて、うなずいた。
「あなたがいやでなければ……」
 私はパジャマの上を脱いだ。彼がはっと息を呑む気配がした。だが、彼は目をそらさなかった。
「……君を、不快にさせると言った……」
 自分で言いながら、自己嫌悪がこみ上げる。自分は、彼を試している。彼がためらいの表情を見せてくれれば、それを理由に彼を傷つけずに、このまま友人でいられる。そうでなければ……
「痛みはあるのですか?」
「いや。もう六年も経ったからな。多少鈍かったり逆に敏感だったりするところはあるが……」
 私はその先を続けるのを忘れた。彼の手が、私の胸に触れたからだ。
「ス……」
 彼は私の胸に唇を寄せた。そっと、何度も。こんな状況にも関わらず、それには性的な意味はなく、敬虔でさえあった。
「あなたが、生きていてくれてよかった……」
 彼は私の手をとり、接吻した。
「あなた自身を含めて、事故の前のあなたを知っている人にとっては、今のあなたは以前とは違うとしか思えないのかもしれませんが、ぼくにとっては、今のあなたがすべてです。ぼくが好きになったのは、今のあなたです。あなたを……ずっと好きだったんです。だけどあなたは…それを信じてくださらない。だからぼくは、自分の心をあなたに伝えたい。あなたに触れて……あなたに触れられたい」
 そう言ってゴーシュは、身を伸ばしてキスを……ひどくためらいがちでぎこちないキスをすると、恥ずかしげにうつむいた。
「……この先、どうしたらいいのか知らなくて……。すみません……」
 私は、彼の肩を抱いて引き寄せた。私の卑屈さや臆病さが、傷つけたくないといいながら却って彼を不安にさせ、傷つけてしまった。本当に私は大馬鹿者だ。
「ゴーシュ……私も、君に触れたい……」
 肩を震わせ顔を上げた彼に、私は口づけた。


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前回に引き続き博士が超乙女で、なんだかなー・・・うっかりするとゴーシュ×Jr.になりそうで危険、危険(いや、1回くらいはいいんじゃないの。煮え切らない博士をゴーシュが押し倒してもさ!でもそーにゅーはナシでお願いします。ゴーシュにぱっくりされて、「だめだ、よせゴーシュ・・・!」とか言って恥らいながらイッちゃう博士ってどうですか・・・。うわ、考えたら萌えてしまった!危ねえー!

 
 この話には全く関係ない、役に立たない人物(?)解説。
 エミュー・・・オーストラリア生息の鳥の名前・・・じゃなくて、夜想道2番街にあるピンク・エレファントという薬草屋兼情報屋の主人。裏情報だけでなくあやしげな薬も売ってそうだ・・・。
 きっとまだ10代のロイド館長が、先代店主に持病の薬を買いに来ていた頃に知り合ったに違いない。が、知り合った場所は店ではなく、若者がたむろするヤバめのクラブに出入りしていて、お互いぶいぶい言わせてたので顔見知りではあったところ、親の経営する店(エミューは小遣い稼ぎにこっそり薬や煙草を持ち出してクラブで売ったりしていた)に来たロイドと顔を合わせてしまい、それで親しくなった・・・というのが幸田の勝手な設定。じつはエミューは最初、クラブで見かけた美少年だったロイドを秘かに落としたいと思っていたが、ロイドがバリバリの攻め(しかもバイ)と知って残念に思っていた過去あり。(・・・って、ますます妄想設定膨む)しかもそれをロイドに知られていて、それもあって年下のロイドに「君」付け呼ばわりされても許しちゃってる。今でもけっこー黙ってりゃ好みのタイプなので、惚れた弱みってヤツ(笑)
 ・・・うーん、館長の方が年上という可能性もアリだけど、その場合ちょっと妄想設定変わるなー・・・って、お前の勝手設定ばっかで人物解説になってないじゃないかーっ!!


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