効果的なカワウによる食害防止対策はあるのか?・・・と言う点について考えてみましょう。
魚を食べられないようにするためには、①カワウを退治するか、②カワウを追い払うか、③食べられるもの(魚)を守るか、④食べるもの(魚)をなくすか のどれかになるのでしょうが「言うは易く行うは難し」なのです。
まずは、群馬県における今までの食害防止対策を見てみましょう。
群馬県でも昭和50年代後半から飛来が見られるようになり、平成8年頃から追払いを開始し、平成12年から有害鳥獣駆除による捕獲を営巣地で行って、毎年100~150羽程度を駆除してきました。しかし、銃による駆除は安全性の問題から場所が限られどこでも出来る方法ではなく、いったん減っても他からの移動によって数ヶ月で生息数が回復してしまうので効果が今一つと言えました。
そこで、平成16年度からは生きた魚を針につけてカワウを釣って捕獲する方法を行い始めました。この方法は生息数を大きく減らすことよりも、それぞれの漁場で安全に実施でき追い払い効果があるということで推奨されましたが、漁協関係者にはあまり歓迎されませんでした。
この間「狩猟鳥への指定しか対処方法はない」という考えのもと、環境省に対して県の水産行政担当部署及び漁協関係団体などが要望してきた結果、平成19年に狩猟鳥の指定がなされました。しかし、狩猟者にとって何のメリットもないカワウを捕獲する者は少なく大量捕獲には至っていないのが現状です。
そして結局は漁協における主な自主防衛方法として、糸張りや竹流し、案山子や花火などによる追い払いが続けられているのが現状なのです。
さて、ここで幾つか気になる研究結果を照会しておきましょう。
一つは群馬県水試の「カワウが好む餌メニュー」で、もう一つはやはり群馬県水試の「カワウの効果的な追い払い方法」です。
「カワウが好む餌メニュー」は、平成20年度の群馬県農林業関係機関成果発表会で報告されたものでネット上では見ることはできません。内容は「単独のカワウと集団(5羽)のカワウのコイ・ヤマメ・アユを放したときの採餌行動を観察した結果です。単独ではコイ>ヤマメ>アユの順で捕食数が多かった。集団ではコイが低かった、また集団での漁はしなかった・・・」というものでした。
「カワウの効果的な追い払い方法」は「カワウはかかしや音の単体の刺激に対してはわずか数日で慣れを生じるが、過去のストレスの経験からカワウが忌避行動をとるような刺激を組み合わせることにより、漁場においても飛来抑制効果の持続が可能であると示唆された。」というものでした。
またまた長くなったので、さらに次回に続きます。
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魚を食べられないようにするためには、①カワウを退治するか、②カワウを追い払うか、③食べられるもの(魚)を守るか、④食べるもの(魚)をなくすか のどれかになるのでしょうが「言うは易く行うは難し」なのです。
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群馬県でも昭和50年代後半から飛来が見られるようになり、平成8年頃から追払いを開始し、平成12年から有害鳥獣駆除による捕獲を営巣地で行って、毎年100~150羽程度を駆除してきました。しかし、銃による駆除は安全性の問題から場所が限られどこでも出来る方法ではなく、いったん減っても他からの移動によって数ヶ月で生息数が回復してしまうので効果が今一つと言えました。
そこで、平成16年度からは生きた魚を針につけてカワウを釣って捕獲する方法を行い始めました。この方法は生息数を大きく減らすことよりも、それぞれの漁場で安全に実施でき追い払い効果があるということで推奨されましたが、漁協関係者にはあまり歓迎されませんでした。
この間「狩猟鳥への指定しか対処方法はない」という考えのもと、環境省に対して県の水産行政担当部署及び漁協関係団体などが要望してきた結果、平成19年に狩猟鳥の指定がなされました。しかし、狩猟者にとって何のメリットもないカワウを捕獲する者は少なく大量捕獲には至っていないのが現状です。
そして結局は漁協における主な自主防衛方法として、糸張りや竹流し、案山子や花火などによる追い払いが続けられているのが現状なのです。
さて、ここで幾つか気になる研究結果を照会しておきましょう。
一つは群馬県水試の「カワウが好む餌メニュー」で、もう一つはやはり群馬県水試の「カワウの効果的な追い払い方法」です。
「カワウが好む餌メニュー」は、平成20年度の群馬県農林業関係機関成果発表会で報告されたものでネット上では見ることはできません。内容は「単独のカワウと集団(5羽)のカワウのコイ・ヤマメ・アユを放したときの採餌行動を観察した結果です。単独ではコイ>ヤマメ>アユの順で捕食数が多かった。集団ではコイが低かった、また集団での漁はしなかった・・・」というものでした。
「カワウの効果的な追い払い方法」は「カワウはかかしや音の単体の刺激に対してはわずか数日で慣れを生じるが、過去のストレスの経験からカワウが忌避行動をとるような刺激を組み合わせることにより、漁場においても飛来抑制効果の持続が可能であると示唆された。」というものでした。
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