( 秋薔薇 ・ 桜木 )
秋薔薇や彩を尽して艶ならず 松根東洋城
山芦屋らしき暮しの秋薔薇 山田弘子
王家絶え宮殿遺り秋薔薇 嶋田摩耶子
昨日3日は文化の日、結社の吟行句会で横浜・港の見える丘公園
エリスマン邸~元町へ行って参りました
朝から肌寒い日でしたが、この頃が一番季語の斡旋に困ります
立冬にはなっていませんが、雲も霞のなかのベイブリッジも寒々しく
見えています。昨日写した掲載の薔薇(さくら木)は確かにその肌寒さの中に
咲いていますが,俳句でいう冬薔薇という趣もありません。どちらを詠んでも
いいはずですが結社での吟行句会はあくまでも「季語」詠む姿勢には変わり
有りません。難しい季節を実感してまいりました
最初に訪れたエリスマン邸は元町公園と接しています。
そこを出たところキャンバスを開いて写生をされている方がおりました
連衆のKさんが声をかけられ、その中の話を主宰と一緒に遠巻きに聞いて
いました。曰く・・「絵の写生=俳句の写生は同じようですね。一景一瞬を
切り取って描きたいところを描く。色はだいたい後からその色めいたものを重ね
ればいいし、その他は脇景色ですよ・・・」
脇景色・・初めて聞いた言葉です。ころころが俳句を詠む時、前後にしか
意識が無かったかもしれないからです。「まむき・そむき・まなかい・そびら」
一生懸命・吟行ルートに沿って写生をしていってもそのものの直視では
見えないものがあったのかもしれません。大いに学ぶものがありました。