咳き(しわぶき)・咳く(しわぶく)・咳く(せく)
咳をして言ひ途切れたるまゝの事 細見綾子
咳こんで一人の闇を深くせり 下里美恵子
脈を看るナース小さき咳こぼす 都合ナルミ
静まりし句座へこぼるる咳ひとつ 清水弓月
飴なめて咳押し殺す夜の電車 熊澤和代
咳止んで子は泣き顔に戻りけり ころころ
咳をしても一人 尾崎放哉
咳の子のなぞなぞあそびきりもなや 中村汀女
咳耐へに耐へ腹力なかりけり 福永耕二
咳こぼすマスクの中の貌小さし 吉田鴻司
父の咳母の咳よりさびしかり 正木ゆう子
あの咳は父よ溝板ふんで来る 菖蒲あや
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