冬牡丹・寒牡丹
もともと初夏の花である牡丹の花芽をつみとって冬に咲かせるよ うにしたもの。藁囲いをして、
寒さの中大輪の花を咲かせる。牡丹には二季咲き(早春と初冬)の性質を持つ品種があり、それらは
寒牡丹と呼ばれています。寒牡丹の花は自然環境に大きく左右され、着花率が低く、二割以下と
いわれています。そこで、花の少ない冬にお正月の縁起花として抑制栽培の技術を駆使して開花させたものが
冬ぼたんです。写真は昨年の上野東照宮ぼたん苑のもの本年も1月1日より2月25日までの開園です
地の冷えに牡丹花びらこぼさざる 沢木欣一
寒牡丹寒さのひゞくくれなゐか 細見綾子
もの焚けば綾子師のこと寒牡丹 栗田やすし
藁内に漲る気息寒牡丹 下里美恵子
裏山にまはる陽射しや寒牡丹 松原英明
冬ぼたん上野の鐘を身ほとりに ころころ
そのあたりほのとぬくしや寒牡丹 高浜虚子
念力のややに傾ぎし冬牡丹 山田弘子
冬牡丹格子戸暗き民芸館 遠藤比呂志
寒牡丹つめたき風をよろこびぬ 黒田杏子
日と月のごとく二輪の寒牡丹 鷹羽狩行
寒牡丹この叫びにも似たる紅 能村登四郎
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