10月 14日

2020-10-13 14:06:11 | Weblog
                        唐辛子・なんばん・蕃椒・鷹の爪・天井守


     軒下に暮れ残りたる唐辛子           渡辺慢房


     蔵の軒竿一本に鷹の爪             森田とみ


     唐辛子束ねて吊りし杣の軒           高平タミ


     鷹の爪干す三成の敗走路            上村龍子


     吊されて緋色濃くせり唐辛子          小原米子


     蔵窓に吊す小束の唐辛子            山本法子


     風に鳴る窯場の軒の唐辛子           八尋樹炎


     合掌家軒に吊るせし唐辛子           鳥居純子


     鷹の爪吊す軒端に憩ひけり           牧 啓子



          



     今日も干す昨日の色の唐辛子          林 翔


     すゝけたる軒端やなすび蕃椒          寺田寅彦


     細きかな縁切寺の唐辛子            有馬朗人


     唐辛子熟れきり更年期を怖る          菖蒲あや


     唐辛子一絲まとはず熟れにけり         田川飛旅子


     としよりの片言ぬくし唐辛子          鷲谷七菜子


     てのひらに時は過ぎゆく唐辛子         秋元不死男



          
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2 コメント

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Unknown (jikan314)
2020-10-13 15:10:52
いつも拝見しております。
俳人でもある寺田寅彦には、驚きますよね。本業は物理学者ですし。山口青邨は鉱物学者、森鴎外は軍医と右脳、左脳とか、文系とか理系とかは、俳句には関係無いですね。
季語と主題は、半歩離すのが良いと私は教わったのに、全く拙句に反映出来ていないです。そう言う意味で、秋元不死男はとても参考となります。
又お邪魔いたします。
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まさしく、仰る通り (ころころ)
2020-10-13 17:45:13
jikan314さん、こんばんは☆
いつもありがとうございます
jikanさんのブログにはこちらの知識不足により
とても敷居が高く、ご容赦下さい

さて
ご意見の通り、例えば水原秋櫻子はお医者様、後藤比奈夫は東大工学部建築学科などなど理系俳人は
結構多いのですよ
これは私感ですが、俳句を詠むのに大切なのはどれだけ自然を体験するか?どれだけ人と多く関われるか?それが語彙の豊富さに通じるのだろうと思っています

秋元不死男は大好きな俳人です
生い立ちや新興俳句運動による投獄が
その後の秀作として詠まれています

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