12月21日

2009-12-21 18:05:13 | Weblog

         ( 柚子湯 )

 

いや~あ、今日も寒かったですね。明日は冬至。柚子湯で暖まりましょう

 

ししむらの淋しくなりし柚子湯かな         井上土筆

 

金溜まることに縁なき柚子湯かな         鈴木真砂女

 

柚子湯沁む無数の傷のあるごとく         岡本眸

 

魚のごとく啼きぬ柚子湯の柚子押せば      岡崎光魚

 

    「伊吹嶺」12月号より

 

        回覧版来る脱穀の音の中     渡辺慢房



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12月20日

2009-12-20 01:06:32 | Weblog

          ( 雪だるま )

 

居酒屋の灯に佇める雪だるま          阿波野青畝

 

考へるさまに傾く雪だるま             大高千代

 

出稼の父待ち大き雪だるま                        太田土男

 

雪だるま残し旅人宿を発つ                         新田千鶴子

 

             「伊吹嶺」12月号より

 

          奥会津短き稲を高干しに       磯田なつえ



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12月18日

2009-12-18 00:25:04 | Weblog

         ( 浅草 羽子板市 )

 

昨日17日から3日間、東京の年末の風物詩の中の一つ,羽子板市が開催されて
います。子供の頃は毎年行っていたものの、かれこれ10年は行っていません。
境内に50位の数の出店が出て、値段は千円から数十万するものまで、多彩です。

 

羽子板市切られの与三は横を向き          石原八束

 

羽子板市片割れ月も明治ぶり              林 翔

 

羽子板市三日の栄華つくしけり                          水原秋桜子

 

うつくしき羽子板市や買はで過ぐ                         高浜虚子

 

    「伊吹嶺」12月号より

 

       秋空に湯殿行者の鈴ひびく        栗田せつ子



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12月17日

2009-12-17 00:25:53 | Weblog

             ( 焚火 )

 

昨今は焚火も畑焼きも例外を除いて禁止されていますが、太古より人は火を
熾し、煮炊きをして、暖をとり、生活の真中にあったような気がします。
また焚火はコミュニケーションの場であり、それは文化にも通じるように思うの
ですが、皆さんはどう感じられますか?
ころころの小学生の頃の冬の朝、炭屋のおじいさんが炭俵で焚火をしてくれて
それが登校の集合場所になっていました。その時代ですから集団登校など
無いわけですが、いいタイミングで「さあ、行きなさい」とそのおじいさんが声を
かけてくれます。 「行ってきます」 と子供達の声がまだ耳の奥に残っています

 

片頬のほてり焚火を離れても          片山由美子

 

夜焚火や闇より波の走り出づ          岡本眸

 

夕焚火生命線のまつかつか           大倉郁子

 

帰りきし父に焚火のにほひあり          大高 翔

 

           「伊吹嶺」12月号より

 

       航跡の白穂に触るる秋つばめ     八尋樹炎



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12月16日

2009-12-16 18:39:37 | Weblog

        ( 熱燗・温め酒 )

 

熱燗が美味しい時期になりましたね。まあころころは一年中美味しい時期と心得て
ますが、ちなみに日本酒なら8合が限度ですが、どうしてもと言われるなら・・
芋焼酎のお湯割をあと2杯ほどなら嗜みます。

 

熱燗に泣きをる上戸ほつておけ          高浜虚子

 

手刀をきり熱燗の一本目              水木なまこ

 

熱燗に饒舌続く旅の宿                天野美代子

 

ねころぶは杜甫か李白か温め酒          有馬朗人

 

温め酒雨なら雨を褒めてをり             能村研三

 


       「伊吹嶺」12月号より

 

      涼しさを言ひて荷を解く朝市女       国枝隆生



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12月15日

2009-12-14 23:57:02 | Weblog

       ( 世田谷ボロ市 )

 

今日15日,16日、翌1月15日,16日と世田谷のボロ市が開催されます。
このボロ市は北条氏政が開いた楽市が始まりで400年もの歴史のある市です。
ころころが参加させて頂いている吟行会は今日,忘年会を兼ねた吟行句会。
馳せ参じたいところ、仕事の打ち合わせの終了時間とのにらめっことなりそうです。
(幹事さんには申し訳けないけど・・微妙です←独り言)

参加の皆様には,代官餅をお早めにお買い求め下さい。からみ餅はすぐ無くなります
いざ目指せ天租神社(ここで売ってます)

 

ぼろ市の由緒くはしき河童の図           有馬朗人

 

ぼろ市や臼と別れて杵売らる             宮下翠舟

 

ボロ市に何買ふとなく屈みけり                         毛塚静枝

 

ボロ市の人かき分けてベビーカー                     安斉君子

 

襤褸市や大学芋の金色に                                辻 桃子

 

 

                  ぼろ市のランプ灯して売られけり    ころころ





 

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12月14日

2009-12-14 18:58:32 | Weblog

          ( 義士祭 )

 

元禄15年12月14日(西暦1703年1月30日)未明,本所松坂町の吉良邸へ
赤穂浪士47名が討ち入り、主君の仇をうった日です。
写真は松坂町(現両国)吉良邸跡に残る、討ち取った吉良上野介の首を洗った井戸
として残されています。

 

義士祭香煙帰り来ても匂ふ             石田波郷

 

義士祭酒のしたたる一基あり            鈴木十歩

 

大義よく人死なしむる義士祭             岡本 眸

 

義士祭の遺品に並ぶ呼子笛             和田幸八

 

        「伊吹嶺」12月号より

 

      身に入むや大仏裏の地獄絵図       辻江けい



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12月13日

2009-12-13 01:33:46 | Weblog

        ( 竈猫・かじけ猫 )

 

何もかも知つてをるなりかまど猫          富安風生

 

しろたへの鞠のごとくに竃猫             飯田蛇笏

 

山桃酒飲みたき貌やかまど猫            岡田久慧

 

薄目あけ人嫌ひなり炬燵猫              松本たかし

 

      「伊吹嶺」12月号より

 

       秋潮や薪高く積む塩煮小屋     鈴木みすず




 

 

   

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12月12日

2009-12-12 00:08:51 | Weblog

        ( 湯豆腐 )

 

ころころが唯一苦手としている冬の食べ物。

 

湯豆腐やいのちのはてのうすあかり         久保田万太郎

 

湯豆腐のそろそろ踊り出す気配            原 育子

 

湯豆腐の昆布のびのびしてきたり           辻桃子

 

湯豆腐や障子の外の隅田川              吉田冬葉

 

    「伊吹嶺」12月号より

 

      たんねんに鉄鍋磨く野分晴       関根近子



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12月11日

2009-12-11 05:22:49 | Weblog

        ( 毛糸・毛糸編む・毛糸玉 )

 

ルノアルの女に毛糸編ませたし             阿波野青畝

 

毛糸編み上げし時間もプレゼント             山田弘子

 

青い鳥ゐるを信じて毛糸編む              菖蒲あや

 

啄木の歌が大好き毛糸編む               富安風生

 

           「伊吹嶺」12月号より

 

       駐在が玉串捧ぐ村まつり         夏目悦江



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