( 桜草 )
花びらにかくるゝ蕾桜草 倉田紘文
咲きみちて庭盛り上る桜草 山口青邨
三ツ編みの左右揃わず桜草 菱川弘子
桜草ときをり風をとらへゐる 山田美代子
きらん草・金瘡小草
きらん草古代紫展げけり 後藤比奈夫
独り言
またまた、鑑賞の話
私が初めて結社に入った頃の青年部の勉強会は
鑑賞が中心で500字詰め原稿用紙10枚が課題でした。
いい句だなぁ~なんて思うもののいざ5000字の鑑賞文など
書けるはずもなく、四苦八苦したうえでも毎回4~5枚が限度
でした。今になってみれば「なぜ鑑賞文」なのかの意味が分かる
ような気がします。
つきつめて鑑賞することに依って、自句への客観の眼力も養われ
また俳句作品の詩情のありかたなども学びます。
5000字を凝縮して17文字に収める。これが勉強会の逆転の
発想で、例えば今。自句に自解文をつけるとしたら、5000字は
大袈裟でもある程度の物語が書けなければ。なかなか読者の心に
伝わらないと思うこの頃です