1月 9日

2018-01-09 05:06:12 | Weblog
              (  水仙・水仙花・白水仙・野水仙  )



雪嶺晴れ畦の水仙風のなか            沢木欣一



水仙を切り出すに雨あたたかき          細見綾子



水仙や束ねし花のそむきあひ           中村汀女



野水仙見にやはらかき土踏んで          横井美音



喪の足袋を吊り干す雫水仙花           上杉美保子



風荒ぶ三国の崖の野水仙             丹羽一橋



鵜の山の畦に水仙はしり咲き           川口信子



灯台へ急坂道や野水仙              山口茂代



水仙に日時計の影届きけり            渡辺慢房



点滴の母待つ窓辺水仙花             加藤洋子



朝摘みの水仙匂ふ仏間かな            林 尉江



水仙や鎮もる耶蘇の墓どころ           夏目悦江



魚市場桶一杯の野水仙              松平恭代



荒海へ水仙の花なだれ咲く            大平敏子



抱かねば水仙の揺れやまざるよ          岡本 眸



明るさは海よりのもの野水仙           稲畑汀子








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1月 8日 (成人の日)

2018-01-08 05:19:18 | Weblog
              (  成人の日・成人式・成人祭  )



足袋きよく成人の日の父たらむ            能村登四郎



粉雪舞ふ成人の日の記念樹へ             福田甲子雄



成人の日のヨット部のみな湖へ            中條弘子



着せかけて抜く躾糸成人式             鈴木みや子



あどけなき面影とどめ成人の日           松永和子



遥かなりマンボ踊りし成人日            森川歌子



成人の日の日輪のまぶしさよ            夏目悦江



成人式羽織着し子の背広し             小島千鶴



成人の日や子の服の仕付け抜く           梶田遊子



山に来て成人祭の焚火あと              吉田鴻司



成人の晴着の群れに道譲る              原村進一



道に弾む成人の日の紙コップ             秋元不死男




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1月 7日 (人日)

2018-01-07 04:23:46 | Weblog
                  (  人日の節句・七草粥・七種・七日  )



七草粥に能登塩田の塩ちらす            細見綾子



人日の厨に暗き独言                角川源義



七日はや煤によごれし軒雀             志摩芳次郎



人日のあとの青空瓦葺く              梅田葵



漉舟の底に陽がさす七日かな            栗田せつ子



湯気吹けば菜の青々と七日粥            吉田明美



人日や香たてて売る京扇子             若山智子



臥す母に七草粥を温めをり             菊池佳子



人日や鳥獣戯画を見て飽かず            平松公代



苞とけば七草の菜の青ひらく            能村登四郎



七草や雨にくろずむ松ぼくり            小川軽舟



人日の手の平に汲む神の水             川島維春






春の七草

芹(せり)薺(なずな)御形(ごぎょう=ははこぐさ)繁縷(はこべら=はこべ)
仏の座(ほとけのざ=たらびこ)菘(すずな=かぶ) 蘿蔔(すずしろ=だいこん)



母の膝のぬくさ今なほ七草爪             長谷川かな女



七種爪爪は老なき茜いろ               能村登四郎



  七草爪

1月7日、春の七草の菜をゆでた湯に手を入れ、爪を柔らかくしてから切ることで、
その年 一年の無病息災を祈るという風習。邪気を払うと信じられている
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1月 6日

2018-01-06 04:40:42 | Weblog
                (  福寿草・元日草  )



福寿草梅の根方に寄りて咲く           細見綾子



静かなる元日草に日闌けたり           橡魚子



妻の座の日向ありけり福寿草           石田波郷



野仏に日の惜しみなく福寿草           山本法子



母老いて忘れ上手や福寿草            清水聡子



妻快癒土持ち上ぐる福寿草            武藤光晴



全身で喜ぶ赤子福寿草              足立サキ子



咲き満ちて光弾けり福寿草            今泉久子



日溜りの土押し上げて福寿草           下山幸重



合格の子に咲き初めし福寿草           金田義子



開かんと押し合ふ蕾福寿草            鈴木真理子



頬杖に昼を眠れり福寿草              岡本眸



福寿草置いて一膳飯屋かな            石田勝彦




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1月 5日 (小寒)

2018-01-05 05:55:17 | Weblog
                   (  小寒・寒の入・寒に入る  )



人里に水の音する寒の入り             細見綾子



微かなる地震に驚く寒の入り            栗田やすし



寒に入る石を掴みて一樹根              加藤秋邨



小寒の満月山を離れたる              神尾朴水



白粥の米粒光る寒の入               垣内玲子



小寒の穂先尖りし絵付筆              武田稜子



合掌の弥陀の掌温し寒の入             嵯峨崎由紀枝



小寒のサーファー浮けり九十九里          武藤光晴



鉛筆の芯を尖らす寒の入              森垣昭一



芋噛んで歯を零したる寒の入り           片山浮葉



躓きし畳の縁や寒に入る              三井あきを



水神の御鏡割れし寒の入              奥山ひろみ



己が影地にくつきりと寒に入る           夏目隆夫



小寒の鉄錆しるき大鳥居               こころ



香のありし久留米絣や寒の入             森澄雄



寒の入朝日も道もまつすぐに             岡本眸

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1月 4日

2018-01-04 06:31:04 | Weblog
               (  早梅・冬の梅・梅早し・探梅・梅探る  )



早梅やくちびる朱き童女仏            澤木欣一



冬の梅林すだれの如く日ざし来て         細見綾子



探梅や峠の茶屋は板戸閉づ            栗田やすし



早梅に風の荒ぶる浅間かな             皆川盤水  



探梅行まぶしき湖につき当たる          下里美恵子



一枝を峡にたらして梅早し            池上不二子



梅探る豆腐一丁買ひに出て            都合ナルミ



早梅や母の朱塗の写経筆             長江克江



探梅や古墳縫ひゆく人の影            清水弓月



早梅や土塁急なる城の跡             金田義子



寛永寺までの坂道梅探ぐる            福田邦子



早梅の蒼し久女の屋敷跡             澤田正子



探梅の声のしてゐる川伝ひ            中川幸子



早梅の枝触れ合へる切通し            関根近子



探梅や子猿飛び出す峡の晴            岩崎喜子



仁王門まで早梅の影伸ぶる            足立サキ子



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1月 3日 (初大師)

2018-01-03 05:25:58 | Weblog
               (  正月三日  )


       今日三日は初大師、川越喜多院では達磨市が開催されます



墨磨つて三日の雪に籠りけり            栗田やすし



西行庵雪が浄めし三日なり             福永耕二



よく晴れて三日の坐り机かな            黒田杏子



三日はや金網に蛸のばし干す            国枝隆生



胃薬にむせびてゐたる三日かな           河原地英武



三日はやダンスに夫と誘はるる           岸本典子



沖待ちの船の連なる三日かな            岡野敦子



三日はや子を赴任地へ送り出す           横井美音



朝風呂に無精髭剃る三日かな            武藤光晴



野仏の洗米乾く三日かな              小田二三枝



職引くも三日をはやと思ひけり           井上梟



氏子二人境内守る三日かな             小原米子



三日はやカレーの匂ふ白き家             西村倭文子



酒少し剰し三日も過ぎてけり             石塚友二
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1月 2日

2018-01-02 06:21:41 | Weblog
                 (  正月二日  )



二日はやわが庭に来る夫婦鳩           栗田やすし



青空へもぐら顔出す二日かな            沢木欣一



山彦も山を出ることなき二日            鷹羽狩行



京干菓子提げて母訪ふ二日かな          倉田信子



二日はや浜まで火事の煙来る           澤田正子



刀匠の火の粉浴びゐる二日かな          田畑 龍



掌で撫づる二日の無精髭             渡辺慢房



二日はや杉の皮剝ぐ日暮れまで          中山ユキ



ラーメン屋昼賑はへる二日かな          丹羽康碩



天守より山河清しき二日かな           鈴木真理子



一人居の早寝決めたる二日かな          夏目悦江



二日はや工事場廻る警備員             松尾千代子



真直ぐに二日の空の飛行雲             林 瑠美



風はたとやめば二日の壇の浦            白倉久子



雪掻きて二日の店を開けにけり           榎本栄子
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1月 1日 (元旦)

2018-01-01 06:48:26 | Weblog
                (  新年・一月一日・元旦  )


     東京は晴れて初日の出を拝することができました
   今年もよろしくお付き合いくださいますように


恭賀新禧一月一日日野昇               正岡子規



静かさや辺戸の岬に初日かげ            栗田やすし



群羊の一頭として初日受く             沢木欣一



琴唄の八重の潮路に初日さす             細見綾子



研ぎ上げし文化包丁年新た             関根切子



新日記先づ一行は母のこと             丹羽康碩



榾くべて火の音うれし初竈             下里美恵子



笹の葉のふれ合ふ音も淑気かな           岸本典子



病む母の唇に福茶のひと雫             矢野孝子



鯨来る沖の明るし初景色              都合ナルミ



打ち寄する辺戸の白波淑気満つ            福田邦子



初鏡父似の眉をととのふる             伊藤範子



教へ子の恋破れしと賀状くる            谷口千賀子



湯気のたつほかに音なきお元日            宇多喜代子



初日さすまつくらがりの町工場            平畑静塔



元旦の最初の客の皓歯かな              能村登四郎



一月一日棒立の箒かな                四ッ谷 龍



元旦やいつもの音にいつもの戸            吉田鴻司
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