映画『マザーウォーター』を観た。昨年の『プール』は前売券を2枚買い、仲間を誘って行こうと思っていたものの、うまくはぐらかされてしまった…といったらいいのか、結局観ずじまいとなってしまった。そんなことがあったからという訳でもないが、いつものようにふらりと一人で行くのがいいとタイミングを見計らい、今日を選んだ。幸い、昼過ぎまで咳込んでいたのもだいぶ良くなり、のど飴で何とかごまかすことができた。
何か事件が起きる訳でもなく、淡々と時が流れていく。川のせせらぎ、水割りのグラスに注がれる水の音、風呂屋の桶のカランコロン。静かに過ぎていく時間が「流れている」ということをその音が知らせてくれるような、そんな静かな映画だった。京都弁が聞かれることも少なく、本当に京都を舞台にしているのかと疑ったりしたが、その感じも京都なんだなあと思った。おいしい食べ物とおいしいコーヒー、おいしいお豆腐においしい水割り、それだけでは生きていけないのが現実だと思いつつ、あわただしく過ぎていく現実のほんの束の間、ゆっくりと流れる水に身を委ねるように時を過ごした。いつかこんな、慎ましくとも心豊かな時を過ごせればいいと思う。小林聡美さんの、淡々と同じ動作で水割りを作る凛とした姿と、花を摘むかわいらしさとのコントラストに心惹かれた。
そう、小林聡美さんのバーでもたいまさこさんと永山絢斗くんがじゃれあうシーンにほのぼのとした。そんな永山くんが出演していた先週末のドラマ『大阪ラブ&ソウル』を、今見ている。