踊る小児科医のblog

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インフルエンザ(新型・季節性)予防接種実施中

2009年11月06日 | 新型インフルエンザ
新型インフルエンザのワクチンは11月7日から接種開始になります。当院では接種対象者について「現実に即した柔軟な対応」をしておりますが、県からの配分が限られているため、ご予約の方には入荷次第連絡を差し上げております。配布されるワクチンのバイアルと接種人数の関係で、今後も指定日、指定時間にまとめて接種することが予想されます。基礎疾患のない子どもの接種は12月中旬となっていますが、配布状況によって前倒しになることも予想されますので、あらかじめご予約下さい。

なお、今シーズンは季節性インフルエンザの入荷数が例年の8割で、接種希望者が増えていることもあり、新たな予約は打ち切っており、キャンセル待ちのみとさせていただいております。ご了承下さい。現在予約されている方、1回目の接種を済ませた方のワクチンは確保してあります。

今週はやや減少:インフルエンザ

2009年11月06日 | 新型インフルエンザ
10月26日の「警報発令<独自>」で予想した通り、前週は当院で32人となり警報の基準(30人)を超えました。八戸地域全体ではわずかに下回り警報発令には至ってませんが実質的には同じレベルです。

しかし、今週は祝日が入ったこともありますが、前週よりかなり少ないペースで推移しているので、いったん減少するものと思われます。これはおそらく、地域の多くの学校で休校や学年閉鎖などの処置がとられていることが大きな要因と思われますので、再開後にふたたび増加してこないか注意が必要です。

第37週 当院 6 八戸 2.0 青森県 0.6
第38週 当院 2 八戸 1.8 青森県 0.8
第39週 当院 0 八戸 0.5 青森県 0.6
第40週 当院 2 八戸 1.2 青森県 1.8
第41週 当院 3 八戸 5.4 青森県 4.6
第42週 当院 8 八戸 10.7 青森県 11.9 ←注意報発令
第43週 当院 22 八戸 17.4 青森県 24.9 ←青森市に警報(49.5)
第44週 当院 32 八戸 28.1 青森県 37.5 ←県内全域で警報または注意報
第45週 当院 19+α

ある学校では10月26日までに累計で約4分の1の子どもが罹患した(インフルエンザ疑い例も含む)というデータも出ています。あまり根拠のない予想ですが、不顕性感染やごく軽く経過した子などがある程度いることを考慮に入れると、全体の3分の1が罹患すると流行のピークも見えてくるのではないかと考えています。

また、市内でもB型が検出され、全国的にはA香港型も検出されているので、今後は混合流行になっていくことも考えられます。もしA香港型が増えてくると、現在のA/H1N1pdm(いわゆる新型インフルエンザ)との区別はつかなくなります。今シーズンの今後の流行の予測はどの専門家にもできていない状況のようです。

死亡率は0.001%?

2009年11月03日 | 新型インフルエンザ
これまでの流行状況と死亡者数を比較すると、患者数は400万人を越えている(おそらくもっと多い)のに、死亡者数は40数人。死亡率は10万人に1人、つまり0.001%という極めて少ない数字で推移しています(死亡率0.5%の脅威と喧伝されていましたがその500分の1です)。マスコミは「♪今日もひとり、明日もひとり、インフルエンザで死に続けている」とカウントしていますが、分母は決して流そうとしません。10万人のうち9万9999人は治っているのです。

季節性のインフルエンザで、1シーズン(約3ヶ月)で1万人が亡くなっていたとしたら、毎日100人(×100日)の死者が出ていたはずですが、マスコミも国も何の興味も示してきませんでした。

もちろん、その中で子どもたちも亡くなっていることは極めて憂慮すべきですが、これまでの報告から、早期受診や早期の抗ウイルス薬投与で防げたのではないかということは言えません。

インフルエンザ警報発令<独自>

2009年10月26日 | 新型インフルエンザ
インフルエンザはこの4週間で2倍4倍8倍と増え続け、今週は今日1日で先週の半数に達しています。注意報、警報の基準は、定点医療機関あたり10人で注意報、30人で警報となっており、今週いっぱいで30人に達するかどうか微妙なところですが、独自判断で警報を発令してしまいます。

当院も定点医療機関の一つですが、今週のデータが集計されて実際に警報が発令されるかどうかは来週の半ば過ぎにまで待たなくてはいけないので、先に現状をお知らせすることにしました。

例年の流行であればこの調子で増えるとあと1~2週間でピークを過ぎるはずなのですが、今回は「感受性者」が多く、学級閉鎖や休校措置が1週間(例年だと3日程度)ずつ実施されているので、結果的に流行のピークが後にずれることも考えられ、はっきりとした予想がつけられない状況にあります。

第37週 当院 6 八戸 2.0 青森県 0.6
第38週 当院 2 八戸 1.8 青森県 0.8
第39週 当院 0 八戸 0.5 青森県 0.6
第40週 当院 2 八戸 1.2 青森県 1.8
第41週 当院 3 八戸 5.4 青森県 4.6
第42週 当院 8 八戸 10.7 青森県 11.9 ←注意報発令
第43週 当院 22 八戸 ??.? 青森県 ??.?
第44週 当院 11+α
(この数字には簡易検査陰性でも臨床的にインフルエンザと診断した人数も含まれています)

なお、10/25(日)の急病診療所の患者数は228人、インフルエンザは145名(来院患者数の63.6%)となっており、既にパンク状態にあります。下記★のような状態でなく、ただ「熱が出た」から「インフルエンザが心配」ということで急病診療所や病院の夜間外来を受診することのないようにして下さい。
<<具合の悪い子を連れ出して受診させても、長時間待たされてもっと具合が悪くなるだけです>>
正直言って、実態を知っているものにとって、あんなところにインフルエンザの流行期に受診させようとする人の気がしれません。。(>_<)

「こんなときにはすぐ受診を」
http://blog.goo.ne.jp/kuba_clinic/e/e7c49387e3e5c5ff45f810309790746e
★ 緊急を要する重症化の徴候(米国CDC)
1. 呼吸が速くて苦しそう
2. 顔色が蒼白い
3. 水分が摂れていない(脱水症状)
4. 何回も繰り返して吐く
5. 意識がはっきりしない、呼びかけへの受け答えがちゃんとしていない
6. 機嫌が悪く、抱っこされることを嫌がる
7. 主な症状がいったん治まった後で、再び発熱や咳が悪化してくる
★ インフルエンザ脳症の早期症状(日本小児科学会)
1. 「呼びかけの答えない」など意識レベルの低下がみられる
2. けいれんが長く続いたり繰り返したりし、けいれん後の意識障害がつづく
3. 意味不明の言動がみられる

感染症流行状況【新型インフル】

2009年10月09日 | 新型インフルエンザ
 八戸市内でもインフルエンザの小流行が続いている状態で、今後さらに流行が拡大するものと考えられます。当院受診者はいずれも問題なく治っていますが、今後も重症化する子が出てこないか注意が必要です。

 その他には9月中旬からRSウイルスと考えられる咳がひどくなるタイプが乳幼児で流行しており、重症化しやすいため注意が必要です。夏かぜの手足口病やヘルパンギーナが9月になってから保育園などでみられています。寒くなってきて、ノロウイルスなどのウイルス性胃腸炎が再び増加してくる時期です。

「すぐに受診」はマチガイ、翌朝まで待って受診を【新型インフル】

2009年10月09日 | 新型インフルエンザ
 9月に文部大臣が全国の子どもたちに「症状があったらすぐ受診を」という文書を配布しましたが、これは大きな間違いで、小児科医の間でも問題になっています。次の項目にあるような緊急を要する場合でなければ、一晩待って翌日に受診するようにして下さい。

 10月初旬現在、発熱や咳の患者の多くはインフルエンザではなく、その中の一部にインフルエンザやそれを疑う子がみられています。そのような状況で、あわてて夜間救急を受診することは、インフルエンザじゃない子どもにわざわざ感染させるリスクを増やし、流行を拡大させることにつながるからです。

 熱が出て数時間以内の「超早期」受診では、もしインフルエンザであっても検査しても陰性になる可能性が高く、その場合に「インフルエンザではない」とは言えないため、経過と症状をみた上で、翌日以降に判断することになります。インフルエンザの検査は痛みを伴うため、子どもに何回もさせたい検査ではなく、また、検査キットが既に品薄の状態にあり、1人に何回も検査することは貴重な資源の無駄使いと言えます。国立成育医療センターの治療方針でも、発熱後12時間以内には原則として検査しないことになっています。

 ただし、早い時期の受診であっても(検査の有無に関わらず)インフルエンザに効果のみられる漢方薬「麻黄湯」を使って初期症状を軽くすることは期待できます。また、家族内での感染や、流行がもっと明らかになった時期であれば、検査は必須ではありませんので、症状や所見などから抗インフルエンザ薬を処方することもできます。要するに、他のときと同じように、落ち着いて普通に判断して受診していただければ結構だということになります。

こんなときはすぐに受診を【新型インフル】

2009年10月09日 | 新型インフルエンザ
◎ 緊急を要する重症化の徴候(米国CDC)
1. 呼吸が速くて苦しそう
2. 顔色が蒼白い
3. 水分が摂れていない(脱水症状)
4. 何回も繰り返して吐く
5. 意識がはっきりしない、呼びかけへの受け答えがちゃんとしていない
6. 機嫌が悪く、抱っこされることを嫌がる
7. 主な症状がいったん治まった後で、再び発熱や咳が悪化してくる

◎ インフルエンザ脳症の早期症状(日本小児科学会)
1. 「呼びかけの答えない」など意識レベルの低下がみられる
2. けいれんが長く続いたり繰り返したりし、けいれん後の意識障害がつづく
3. 意味不明の言動がみられる

これまでの流行状況と重症化例について【新型インフル】

2009年10月09日 | 新型インフルエンザ
 10月6日現在、国内の死亡者は21名(全世界で4千名)に達しましたが、患者数は数十万~百万人に達しているものと考えられます。当初考えられていた「死亡率0.5%程度」という予想通りだと数千名が死亡している計算になりますが、それよりも低い数字で経緯しています。既に冬の流行期を過ぎたオーストラリアやアルゼンチンでも季節性よりも低い数字になっているようです。

 これは、流行の中心が若年層にあり、例年多数の死亡者を出す高齢者層での流行が抑えられていることが主な要因と考えられ、逆に言うと、例年なら重症化することの少ない年長児や若者の間でも、特に妊婦や喘息などの基礎疾患があるときには重症化への注意が必要だということを示しています。

 また、日本では欧米に比べて乳幼児のインフルエンザ脳症のリスクが高く注意が必要であり、国内でも季節性に比べて小児で急速に呼吸障害が進行する例が多いように報告されていますので、上記のような症状のあるときには緊急に受診(けいれんや意識障害のある場合は救急車も可)が必要になります。

「かかったらダメ」という思い込みを捨てる【新型インフル】

2009年10月09日 | 新型インフルエンザ
 「新型」という今回のインフルエンザも、来シーズン以降は「季節性」となり、2~3年以内には国民の多くは(発症の有無に関わらず)感染して免疫を獲得することになります。予防接種は感染を防ぐためのものではなく、感染しても発症しないか、発症しても重症化せずに済むことを期待してのものです。

 現在なされている感染対策は、「私の家族だけは最後まで感染せずに生き残る」ことを目的としているものではなく、流行開始時期を遅らせたり、ピークの山を小さくしたり、重症化する人を減らすことを目的としたものです。「感染したからアウト、罹らなかったからセーフ」ということではありません。

 「新型」も「季節性」も、予防、診断、治療、看護の原則は変わりません。その中で、重症かしないかどうか注意して対処することも全く同じなのです。

2つのインフルエンザワクチン予防接種受付中→接種開始【新型インフル】

2009年10月09日 | 新型インフルエンザ
 「季節性」のワクチンは例年通り実施し、10月5日より接種開始しております。

 「新型」については報道されている通りで、医療関係者、妊婦や喘息などの病気のある人、1歳から小学校3年生まで、それ以上の子どもの順に接種時期をずらして出荷するということです。この通りに混乱なく運ぶかどうかわかりませんが、全ての方の予約を受けておりますので、接種が可能になり次第連絡することにいたします。

 0歳児は「両親への接種」ということになっていますが、6ヶ月以上で保育園に入っている子は接種の対象外となっているようです。この点は現場で接種できるようにしたいと考えていますが、どうなるか不透明な状況ですので予約希望の方には後日連絡します。

 季節性の料金は例年と同じで、新型は統一価格で2回で6150円、国内産と輸入ワクチン合わせて約7700万人分のワクチンを確保するのだそうです。

ウイルスが強毒化した?わけではない

2009年08月21日 | 新型インフルエンザ
4月30日の「死亡率は1%未満?問題はウイルスの病原性」で、
「メキシコでの死亡率は1%前後、先進国ではもっと低いことが予想される。季節性のインフルエンザで0.1%、今回の新型インフルエンザでは死亡率0.5%としても1万人の感染で50人(1000万人だと5万人)が亡くなる(強毒性の新型インフルの予想は3000万人感染で2%の60万人が死亡)」と書きましたが、
現在、死亡率が0.5%程度と考えられていますので、4月30日の時点での大雑把な予想とほぼ一致しています。

一方、今回の感染者は既に国内で10万人を越えているとの推計ですので、
 季節性インフルエンザと同じ0.1%だとしても100人、
 0.5%なら500人前後の死亡が予想されるところ、
それをはるかに下回る数名の死亡で「ウイルスが強毒化したのか」などという議論は成り立たないことがわかります。

新型、季節性に関わらずインフルエンザは強敵であるということなら話はわかりますが、季節性は大したことがなくて、新型は恐ろしいという感覚が未だにマスコミにも国民にも根強いようです。

小児の入院・重症例についての情報が欲しいところですが、今のところ報道以上のものはありません。

大阪府では学級閉鎖の基準を緩和して「季節性並み」にしたようです。
(というか、新型と季節性を区別しないということですねーそれが当然の帰結なのですが)

学級閉鎖の基準緩和 大阪、新型インフルで

 大阪府教育委員会は20日、感染が拡大している新型インフルエンザをめぐり、学級閉鎖の基準を緩和した通知を市町村教委などに出した。国の方針変更に合わせ、府内の一部の学校で夏休みが終わり、授業が始まっていることを踏まえた対応。
 従来は新型の感染者が2人以上いれば7日間の学級閉鎖としていたが、潜伏期間を考慮し、新型かどうかにかかわらず、インフルエンザの症状がある児童や生徒が10~15%に達した場合、当該クラスを4日間程度閉鎖することにした。
 また、新型と確定するための検査について、国が7月から患者全員には行わない方針に切り替えたことから、症状で判断することとした。政令指定都市の大阪市、堺市のほか、府内の私立学校も同様に対応する。

新型インフルエンザ?

2009年08月07日 | 新型インフルエンザ
八戸市内でも発生していますが、特に慌てる必要はありません。
もし発熱などの症状があれば、かかりつけの医療機関に(診療時間内に)連絡の上、受診するだけで、毎年のインフルエンザや他の感染症と変わりません。
当院でも新型インフルエンザの患者さんの診療を行っております。
以前のように発熱センターに電話する必要はありません。
夜に熱が出たからといって、それだけで深夜に病院の救急を受診するようなことのないように。
具合が悪くなりそうなのに、帰省や旅行の予定があるので無理して出かけるなどというのが最悪です。

インフルエンザ(新型・季節性)は全ての医療機関で診療

2009年08月06日 | 新型インフルエンザ
 新型インフルエンザについては前号にも書いたいたように、患者数の増加とともに規制が緩和されました。現在は「全数把握」ではなくなったので、国内で4千人超という数字も目安でしかありません。もし罹っても「強制的に隔離入院」される心配もなく、「一人発生したら県内全校休校」などということもなくなり、ほぼ季節性に準じた対策になっています。県内ではまだ「発熱外来」を続けているようですが、廃止した県も続出しています。国内では重症化した方は一人もなく、タミフルがないと治らないわけではありません。新型と季節性は、診断、治療、家庭での看護などの原則は変わりません。

 当院では、電話予約、感染症用の診察室、手指の消毒など一般的な院内感染予防対策で、現在も発熱や感染症の患者さんの診察を行っております。かかりつけの患者さんは、熱が出たら一々「センター」に電話したりする必要はなく、これまで通り電話で予約して受診していただければ結構です。流行が本格化すれば、感染症用の診察室を逆に「非感染症」の患者さん用にするなど、状況に応じて感染防止対策をとる予定です。

(院内報6・7月号より)

2か月もかかった:新型インフル方針転換

2009年06月19日 | 新型インフルエンザ
本日やっと「方針転換」のお触れが発せられました。「緩和した」という前回5月22日の通達でも、この狭い国を2つに分けるという非現実的な状態が続いていたのですが、かなり現実に近づいてきました。
メキシコの第一報から2か月近く。GWにはアメリカの様子がほぼわかっていたのに、それからでも1か月半もかかってしまいました。。

内容については報道や下記ページをご覧いただきたいと思いますが、一般の方からみると、インフルエンザ(新型・季節性に関わらず)も、その他の感染症も、これまで通りかかりつけ医に受診すれば良いだけの話しになります。

当院では最初からそのつもりでこれまで通り発熱患者も診察を続けてきたし、これからも同じです。

知っておいてほしいのは、秋からA香港型などとの混合流行になれば、新型インフルエンザは季節性インフルエンザと区別できなくなるし、その必要もなくなってくるということです。
(症状や経過でも検査でも区別はつかないし治療も同じなんだから、分ける意味がないしそんなことは不可能)
一人一人の患者さんが「私は新型なのか旧型(?)なのか」などと心配しても、そんなの知る必要もないし、わからなくなる。

検査は最終的には「定点サーベイランス」だけになっていきます。
まだそれまでの間、どこでどの程度検出されたかという情報には注意が必要ですが、これまでのように第何例とか大騒ぎする必要はなくなります。(元々大騒ぎする必要はなかったのですが)

神戸の発生を受けて、地元医師会のMLに、必ず今回の通達のような態勢になるのだから、それを前提に対策を変更するよう主張してきたのですが、全然受け入れられませんでした。
それで、急病診療所<別院>の発熱外来設置などと報道されているわけです。。

おそらく今回の通達は、感染症対策の専門家が厚労省のお役人を説得して、時間はかかったけどここまでこぎ着けたのだと思いますが、市と医師会はそれでも<別院>設置をとりやめずに万歳突撃するつもりなのか。。

当院では、これまで通りの診療と急病診療所出動(月2回程度)を続けていきます。
かかりつけの患者さんも、これまで通り電話で予約して受診して下さい。

当院で行っている院内感染防止対策(インフルエンザかどうかに関わらず)については、別に書きたいと思います。


医療の確保、検疫、学校・保育施設等の臨時休業の要請等に関する運用指針(改定版)
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/2009/06/0619-01.html
新旧対照表(PDF:125KB)
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/2009/06/dl/0619-01a.pdf
概要(PDF:296KB)
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/2009/06/dl/0619-01b.pdf

水際対策は「時間稼ぎ」になったのか

2009年05月23日 | 新型インフルエンザ
対策が見直されて現実に近づいたことは評価できますが、迅速さが求められる感染症対策で、この程度の変更に1か月もかかるとは。。
しかも、まだまだ過剰な対策のままで、もし東京が蔓延状態だとしても青森で「第1例」が見つかったら隔離入院となります。

水際対策、機内検疫が「時間稼ぎ」になったとおっしゃる方がいますが、不思議です。
神戸の高校生の流行からすると、GWの前半には侵入していたものと思われます。
(接触歴不明なのでその間に2~3人は介していたもの考えて)
成田検疫で「第1例」とその周囲の拘束をしながらその成果を誇っていたうちに。。

あの「機内検疫」の恐ろし気な映像と、発見例に対する政府とマスコミの過剰反応が、この国の人々の心理にどれだけマイナスの影響を及ぼしたか。。現在の状況は不要な「対策」によって政府とマスコミが作り出したパニックと言えます。
そしてその「誤り」を認めずに、その段階が過ぎたから縮小すると言い逃れる。
(誤解のないように、入国時フリーパスにせよというのではなく、簡易問診票と啓発で十分だったはず)

首都圏「第1例」の女子高生は、熱があるのに簡易検査陰性だからそのまま帰した。
検疫官がやる気をなくしていたとしか考えられません。。(^_^;)
(…それを責めるつもりで書いているのではなく)

京都の大学が一斉に休学。。そんなに大学生と小学生の交流が盛んなの?
さすがに日本の知性の最高峰である京都大学では休校にしてませんが、そんなことで褒められたいとは思わないでしょう。(…失礼しました)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news5/2009/090520_2.htm

「発熱相談」「発熱外来」が混乱や感染拡大を防いでいるのか不明。
「発熱外来」の先生方の疲労をまねいているだけでは(大変申し訳ない)。。
世界中で「発熱外来」なるものを設けているのは日本だけ。
殺到する患者の大半は政府やマスコミが生み出した「不安病」であって、
本来かかりつけ医を受診すべき不要な患者ではないのか?
(発熱外来の分析データが出てないので正確には不明)

現実に関西では一般の医療機関でインフルエンザの診療をしています。
伝えられている「発熱相談」の硬直的な対応、、
非蔓延地の保健所でも「PCRしない」ことで患者ゼロを維持しようとしてる。。
(私もその方が良いと思いますけどね、現在のこの状況では)

今回の流行第一波は、メキシコやアメリカ、神戸をみてもインフルエンザとしては「小流行」で終わるでしょう。
八戸に入ってきたとしても、夏までには爆発的な流行には至らない。
慌てる必要は全然ない。。
(しかも一番慌ててバタバタしているのが○○なんだから笑えない)

秋以降は「季節性」として、変異しながら流行が繰り返され、数年以内に国民の多くが感染することになります。。
「感染しないこと」や「死亡例をゼロとすること」を目標とするのは、目標設定が間違っています。。
→舛添厚労相「死亡者が出たらどうするつもりなのか」
その答弁は間違いで、標準的な感染拡大防止の対策(例えば全県一斉休校ではなく感染者の学級閉鎖)をとりながら、患者が重症化しそうであれば個別に重点的な医療を行うのはどの場合でも同じです。

日本感染症学会緊急提言「一般医療機関における新型インフルエンザへの対応について」(2009.5.21)
http://www.kansensho.or.jp/news/090521soiv_teigen.pdf

その後の経過(強毒性への変異など)はもちろんわかりませんが、
これまでの経過で国内流行1か月、感染数千人規模で死亡例の報告はゼロ。
それどころか入院適応の重症例すらほとんどない。
(もちろん診断されずに基礎疾患の合併症で死亡した例の可能性は否定できませんが)
季節性インフルエンザでは超過死亡が毎年1万人。。でも誰も騒がない。。

そして、今回の騒ぎによる経済的・社会的損失は莫大。。
国連に行った子どもたちの心を深く傷つけたこの国の大人社会って何?

今回誰も感染者がいないのに1週間も休校にした学校は、毎年の季節性インフルエンザの時に同じことをするつもりなのか。来季は新型+旧型の混合流行も考えられます。

で、いつから「新型」が「季節性」になるのでしょう。
その切り替えの定義はどこにもありません。。とすると秋以降もこの状況が続く可能性も。。
今回の「新型」を2類感染症の「新型インフルエンザ」指定から外すしかないのですが。

【石原知事会見詳報】新型インフル「ちょっと騒ぎすぎじゃないの」
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/090522/lcl0905221832003-n1.htm

新型インフルエンザ対策をアメリカ人に爆笑される理由(新型インフルエンザ対策の達人)
http://newinfluenza.blog62.fc2.com/blog-entry-472.html

発熱相談センター・健康観察からの患者発見率約0.003%(新型インフルエンザ対策の達人)
http://newinfluenza.blog62.fc2.com/blog-entry-468.html