踊る小児科医のblog

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新井田川堤防で津波浸水予測図を確認 保健センター構想見直し→八戸市は丘陵地中心の街づくりを

2012年10月19日 | 東日本大震災・原発事故
#以下の文章は地域の医療系MLに投稿したもので、八戸市の田向地区に保健センターを建設して急病診療所や健診センターなどを移転させようという構想が市や医師会などの間で進んでいることについて書いた2回目の文章です。

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唐突に結論から先に書きますが、八戸市は五十年後、百年後の人口半減社会と津波防災を考えて、今後低地の開発は行わず、市街地を縮小して中心街や周辺の丘陵地域を残していくようにすべきと考えます。
(無論、港湾施設や沿岸部の企業・工場などは必要ですが)

先日、津波対策と急病診療所移転(保健センター構想)について書きましたが、その日に発表された県の予測図は皆さんご覧になったかと思います。

津波浸水予測図
http://www.pref.aomori.lg.jp/kotsu/build/tunami-yosoku.html
八戸市(3/4) PDFファイル 1,283KB
http://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kendo/kasensabo/files/2012-1001-2259.pdf

一昨日(10/17)、新井田川の堤防をゆっくりジョギングしながら、自分の目と足で確かめてきました。

45号線を下って塩入橋を渡り、招運橋、新井田中央大橋、新井田橋、対泉院、風の道公園というルート。

塩入橋~新井田橋の間は、川が流れる程度には緩やかに上っていますが、走っていてもほとんど意識することはありません。

塩入橋と招運橋の間では河川敷に下りてみましたが、川面から河川敷まで50cmもなく、堤防は河川敷から3m強しかない。
(当然、潮位や降水量によって変わってきますが)

45号線が少し高くなっているので、ある程度の障壁にはなると思います。
「予測図」でもそのようになってます。

招運橋~新井田中央大橋で川が大きくカーブするところでは、堤防は水面から5~6m(目測)と高くなり、川幅も思った以上に余裕があるので、集中豪雨や「普通の大津波」で決壊することはちょっと想像しにくい。。

また、塩入橋~招運橋では、新井田側は堤防が土地の高さそのものなのに対し、南類家側は1~2m低くなっていて、新井田中央大橋に近づくにつれ堤防の高さと同じくらいになっていきます。

「予測図」では、諏訪がピンク(2m以上5m未満)、45号線を越えて類家~南類家でオレンジ(1m以上2m未満)から黄色(0.3m以上1m未満)、緑色(0.3m未満)となり、田向の市民病院の手前で白になっています。

今まで何度か45号線~市民センター~市民病院前~新井田中央大橋というルートをジョギングした時に、ほとんど標高差を感じることがなかったので、この色分けに疑問を抱いていたのですが、「ある程度の」根拠はあるのかなと感じました。

ただし、昨年の震災でも市民病院付近まで船が打ち上げられたし、普段でも満潮時はこのあたりまで逆流しています。石巻のような直撃を受けた時に本当にここで水が止まるのか、堤防を乗り越えないのか、、これで大丈夫と言う気にはとてもなれません。

「北上川河口、堤防決壊した集落の水引かず」2011/4/1
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0100L_R00C11A4000000/
阿武隈川・鳴瀬川・北上川の被害 - エイト日本技術開発(PDF)
http://www.ejec.ej-hds.co.jp/sinsai/houkoku/23.pdf
 ↑
地震の揺れや液状化による堤防の損傷もあり得るようです。

いずれにせよ、もし田向まで浸水する時には市内は壊滅的な被害になるわけですから、あまり考えたくないし、多分生きているうちにはないだろうと思いますが、これから何十年も使う公共施設を新たにつくるときには検討すべき重要な要因かと思います。
(私には責任もないし個人的にはどうでも良いのですが)

保健センターの候補地を探してみましたが、旧柏崎小跡地(標高8m)か旧警察署・消防署跡地(同17.5m)しかないだろうと考えます。
(最初から「田向で」という結論を前提に検討しているのだから他の候補地は全く念頭にないことは承知していますが)

標高がわかるWeb地図(国土地理院)
http://www.gsi.go.jp/johofukyu/hyoko_system.html

(蛇足)
今回走ったルートは6.7km、46分52秒で、ちょうどキロ7分ペースのスロージョグ。
今年度の准看学院最後の講義(11回目・禁煙講義90分)を終えてぐったりしていたのですが、気持ちよく汗をかいて走り終えたら体も楽になっていました。
健康維持が目的なら、この程度の距離・スピードがちょうど良いのかもしれません。
ちなみに、流行の「超スロージョギング」というのは歩くのとほとんど同じ時速4~5km(キロ12~15分)で、この遅さで走るのは結構しんどいかも。。