踊る小児科医のblog

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新しい母体血出生前診断の陽性反応的中率(グラフ)

2013年03月19日 | こども・小児科
2月に書いた
新しい出生前診断の陽性的中率は予想外に低い(2013年02月12日)
の続きです。続きというか、そのグラフだけを追加します。

感度 sensitivity s = a/(a+c) 
特異度 specificity p = d/(b+d)
有病率 x = (a+c)/(a+b+c+d)
とすると、

陽性反応的中率 = sx/(sx + (1-p)(1-x))
陰性反応的中率 = p(1-x)/((1-s)x + p(1-x))
という式に表せることを説明しました。

ここで、新しい母体血出生前検査の
感度 sensitivity s = 0.986
特異度 specificity p = 0.998
を代入してグラフに描画してみました。

陽性反応的中率 = 0.986x/(0.986x + (1-0.998)(1-x))


(グラフはクリックして別ウインドウで拡大)

X軸が有病率 0-0.02(0-2%)、Y軸が陽性反応的中率 0-1(0-100%)

35歳
有病率 x = 0.0033
陽性的中率 = 0.62010(62.0%)
陰性的中率 = 0.99995(100.0%)

40歳
有病率 x = 0.01
陽性的中率 = 0.83277(83.3%)
陰性的中率 = 0.99986(100.0%)

有病率 0.01(1%)はグラフの真ん中のところです。
感度 98.6%、特異度 99.8% の検査で陽性の反応が出ても、偽陽性がこんなに(グラフの上の部分)あるのだということをお確かめ下さい。