※以下の文章は八戸市医師会報に掲載するために、講演の資料を元に要旨をまとめたものであり、内容には間違いはないと思いますが、単語や言い回し、話の順序等について少し手を加えてあり演者の意図するところと異なっている部分があるかもしれません。(文責・久芳)
県医師会生涯教育講座
平成26年7月18日(金) 八戸グランドホテル
「挑戦病という名の病にとり憑かれて」
八戸学院大学 学長 大谷 真樹 氏
今回あらためて振り返ってみて、「挑戦病」と表現しても過言ではない挑戦を繰り返してきたことに気づかされた。高2の時に陸上競技の中で最も苦しい400mであすなろ国体に出場し、大学ではロッククライミングに挑戦。NEC時代にはIBM製品を扱うという当時は考えられない(しかし現在では当たり前となった)手法で顧客本位の営業を実践し、バブル崩壊・脱サラ後に義父の会社を手伝って世界を飛び回った。
1996年にインターネット・リサーチのインフォプラント社を創業し、約80社が淘汰されていく中で大手とゲリラ戦を展開し、社員500人にまで成長させ、2001年にはアントレプレナー・オブ・ザ・イヤー優秀賞を受賞した。
2007年から自転車を始め、肉体改造に取り組んできた。2010年から八戸大学総合研究所、2012年には学長に就任し、生き残り競争が激化する中で、Gパン学長として差別化戦略を打ち出し、スポーツ、起業家養成、農業経営などに加えて、食事・運動・機能性ウェアを組み合わせたウェルネスプログラム(koar.jp)の発売などの新たな取り組みを発信し続けている。
「オートルート・アルプス」はジュネーブからニースまでの866km、獲得標高21000mを7日間で走破する世界一過酷なアマチュアレースである。2013年8月に出場し、途中棄権が4割、事故死者1名を出す中、元五輪選手の田代恭崇さん、俳優の筒井道隆さんと共に日本人として初めて完走することができた。
準備のために9カ月間の禁酒と8kgの減量を自ら課した。禁酒により睡眠やトレーニングの質が向上し、肝臓における代謝の優先順位により減量効果が大きくなるものと考えている。
トレーニングにはLSD(Long Slow Distance)やインターバルトレーニング、立命館大のタバタプロトコルなどを取り入れて、早朝60分という限られた時間の中で効率的な練習を追求した。週末には学生の合宿に参加し、大学で導入した低酸素装置も活用した。
減量には朝食前のコーヒーと有酸素運動、筋トレの併用、夜の糖質の管理などが重要で、低速ジューサーでの野菜果物ジュース、焼き鳥やキムチ(乳酸菌)などがお勧めである。鯖の缶詰(ω3脂肪酸)は海外でも評価は高い。
実際のレースでは毎日の疲労の蓄積に加えて、30℃から0℃まで変動する温度差や、過労による胃腸障害、脱水症状などに苦しめられ、集団落車に巻き込まれるというアクシデントもあったが、教え子のメッセージ入りのボトルを支えにして、ニースでは3人一緒にゴールすることができた(順位は上りのタイムで競われた)。
ヒルクライムは人間の体を垂直方向に持ち上げる競技で、体重1kgの差を速度に換算することが可能であり、元々の体格によるハンディは埋めがたい。次なる目標はトラックレースに定め、日本マスターズ大会での新記録と2015年のマンチェスター大会出場を達成したい。
目標を高く設定して宣言することで、有言実行を果たしてきた。限界に挑戦し続けることが抗加齢の妙薬であり、短命肥満県返上のヒントになるのではないか。トレーニングにより以前よりも若くなったと言われる。アスリートは短命と言われているので長生きできるかどうかはわからないが、イキイキ生きることはできる。
青森は「ダメで何もない」土地などではなく、日本一幸せで豊かな土地へ「逆転ホームラン」で価値観を転換させること、道州制で八戸を北東北州の州都にすること、そして、八戸学院大から五輪選手を輩出することが夢である。
自転車は多少(あるいは上を見ればきりがないほど)お金はかかるが、一回そろえれば運動負荷も大きくなく、膝の故障なども少ないので、生涯楽しめるスポーツとしてお勧めできる。
県医師会生涯教育講座
平成26年7月18日(金) 八戸グランドホテル
「挑戦病という名の病にとり憑かれて」
八戸学院大学 学長 大谷 真樹 氏
今回あらためて振り返ってみて、「挑戦病」と表現しても過言ではない挑戦を繰り返してきたことに気づかされた。高2の時に陸上競技の中で最も苦しい400mであすなろ国体に出場し、大学ではロッククライミングに挑戦。NEC時代にはIBM製品を扱うという当時は考えられない(しかし現在では当たり前となった)手法で顧客本位の営業を実践し、バブル崩壊・脱サラ後に義父の会社を手伝って世界を飛び回った。
1996年にインターネット・リサーチのインフォプラント社を創業し、約80社が淘汰されていく中で大手とゲリラ戦を展開し、社員500人にまで成長させ、2001年にはアントレプレナー・オブ・ザ・イヤー優秀賞を受賞した。
2007年から自転車を始め、肉体改造に取り組んできた。2010年から八戸大学総合研究所、2012年には学長に就任し、生き残り競争が激化する中で、Gパン学長として差別化戦略を打ち出し、スポーツ、起業家養成、農業経営などに加えて、食事・運動・機能性ウェアを組み合わせたウェルネスプログラム(koar.jp)の発売などの新たな取り組みを発信し続けている。
「オートルート・アルプス」はジュネーブからニースまでの866km、獲得標高21000mを7日間で走破する世界一過酷なアマチュアレースである。2013年8月に出場し、途中棄権が4割、事故死者1名を出す中、元五輪選手の田代恭崇さん、俳優の筒井道隆さんと共に日本人として初めて完走することができた。
準備のために9カ月間の禁酒と8kgの減量を自ら課した。禁酒により睡眠やトレーニングの質が向上し、肝臓における代謝の優先順位により減量効果が大きくなるものと考えている。
トレーニングにはLSD(Long Slow Distance)やインターバルトレーニング、立命館大のタバタプロトコルなどを取り入れて、早朝60分という限られた時間の中で効率的な練習を追求した。週末には学生の合宿に参加し、大学で導入した低酸素装置も活用した。
減量には朝食前のコーヒーと有酸素運動、筋トレの併用、夜の糖質の管理などが重要で、低速ジューサーでの野菜果物ジュース、焼き鳥やキムチ(乳酸菌)などがお勧めである。鯖の缶詰(ω3脂肪酸)は海外でも評価は高い。
実際のレースでは毎日の疲労の蓄積に加えて、30℃から0℃まで変動する温度差や、過労による胃腸障害、脱水症状などに苦しめられ、集団落車に巻き込まれるというアクシデントもあったが、教え子のメッセージ入りのボトルを支えにして、ニースでは3人一緒にゴールすることができた(順位は上りのタイムで競われた)。
ヒルクライムは人間の体を垂直方向に持ち上げる競技で、体重1kgの差を速度に換算することが可能であり、元々の体格によるハンディは埋めがたい。次なる目標はトラックレースに定め、日本マスターズ大会での新記録と2015年のマンチェスター大会出場を達成したい。
目標を高く設定して宣言することで、有言実行を果たしてきた。限界に挑戦し続けることが抗加齢の妙薬であり、短命肥満県返上のヒントになるのではないか。トレーニングにより以前よりも若くなったと言われる。アスリートは短命と言われているので長生きできるかどうかはわからないが、イキイキ生きることはできる。
青森は「ダメで何もない」土地などではなく、日本一幸せで豊かな土地へ「逆転ホームラン」で価値観を転換させること、道州制で八戸を北東北州の州都にすること、そして、八戸学院大から五輪選手を輩出することが夢である。
自転車は多少(あるいは上を見ればきりがないほど)お金はかかるが、一回そろえれば運動負荷も大きくなく、膝の故障なども少ないので、生涯楽しめるスポーツとしてお勧めできる。