踊る小児科医のblog

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福島県の甲状腺がん 二巡目で確定44+疑い24=68人 有病率25.1→推定発症率10.0人/10万人(201612)

2016年12月28日 | 東日本大震災・原発事故
これまでの予想より上方修正して、単純計算でも先行検査に迫る有病率になることが予測されるようになりました。

● 先行検査(1巡目)
<2016年6月追補版>
確定101+疑い14=115人
有病率 38.3人/10万人
推定発症率 スクリーニング効果10倍として 3.83人/10万人・年

● 本格検査(2巡目)
<2016年9月>
確定34+疑い25=59人
有病率 21.8人/10万人
推定発症率 検査間隔2.5年として 8.7人/10万人・年

<2016年12月> 12/27発表
確定44+疑い24=68人(+9人)
有病率 25.1人/10万人
推定発症率 10.0人/10万人・年

グラフは以下の通りです。


ここで、12月のデータを「一次受診者の判定率と二次対象者の受診率が100%」として計算すると、
有病率 33.2人/10万人
という数字がはじき出されます。
あれほど「スクリーニング効果だから何の心配もない」と訴え続けてきた先行検査の「38.3人」に近い数字が、たった2〜2.5年で検出されようとしているわけです。

なお、依然として多くの方は先行検査と本格検査の患者数を累積して○人(今回は183人)になったと訴えているように思えますが、このグラフと上のグラフの違いをご理解ください。


累積患者数は10年20年と続けていけば増えていくのは必然で、その数字に意味はありません。