第27回「県民健康調査」検討委員会及び第7回「甲状腺検査評価部会」の資料について(平成29年6月5日開催)
http://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/21045b/kenkocyosa-kentoiinkai-b7-kaisai.html
今回、初めて3巡目でも甲状腺がん患者が検出されたことで、それに対する2巡目の評価が相対的に定まってくるものと考えられ、注目していく必要があります。
(2巡目、3巡目の患者さんの原因が何かという、現時点では=個々の患者さんについては永遠に=特定できない問題については、ここでは論じていません)
単純に数だけを列記してみます(2017.2発表との比較)
1巡目(先行調査)2011-2013
確定101+疑い14=115名(2016.6と同じ)
2巡目(本格調査)2014-2015
確定49(+5)+疑い22(-3)=71名(+2)
3巡目(本格調査)2016-2017
確定2(+2)+疑い2(+2)=4名(+4)
累積
確定152(+7)+疑い38(-1)=190名(+6)
この「累積数」は、それぞれの時点での推定発症率の差を計ることができないため、特別の意味を持たないことは何度も書きました。一番下にそのグラフも入れておきます。
推定発症率の推移
これまで、1巡目と2巡目の間隔を全体の平均より長めの「2.5年」として保守的に計算してきましたが、3巡目との比較でもう少し正確に考えるために、先行検査(1巡目)の受診者数の割合で平均化して、「2.07年」を用いることにしました。(グラフでは2.1と表記)
その結果として、2巡目の発症率の高さが際立つことになりました。(それは織り込み済み)
焦点は、今回の4例(確定2例+疑い2例)から、今後増えて行くであろう3巡目の発症率がどの程度になるか。
もちろん、現時点では何とも言えませんが、2巡目の高さまでは達しないのではないかと思われます。
もしそうだとしたら、
1巡目が全てスクリーニング効果による数字だったとしても、
2巡目で「何らかの要因」により推定発症率が高くなり、
3巡目では1巡目に近い数字に収まっていく、
というモデルが想定できるかもしれません。
無論、これはあくまで一つの仮説です。
もし今後そのモデルに近づいていったとしたら、「何らかの要因」が、さほど長期に渡る影響を及ぼすほど強くはないが、短期間・限定的に影響を及ぼしたという仮説を考えておかなければならない。
もし、それを超えて2巡目に近い推定発症率に達するとしたら、「何らかの要因」が、より長期にわたる強い影響を及ぼしたという仮説の妥当性が高くなる。
「何らかの要因」が福島原発事故による放射性物質の大量放出になのかどうかは、個々の患者さんはもちろん、この全県横断・縦断的な調査でも疫学的に明らかにすることはできそうにない。
もし定量的な比較をするのであれば、他県で同様の調査を行い、甲状腺がんの検出率に差がないことを証明しなくてはいけませんが、そのような“再調査”が実施される可能性は、ほぼゼロに近い。
累積数
前述の通り、累積数で増えた増えたと騒ぐのはほとんど意味がありません。
それは、ここに書いたような「推定発症率」を考慮していないからです。
http://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/21045b/kenkocyosa-kentoiinkai-b7-kaisai.html
今回、初めて3巡目でも甲状腺がん患者が検出されたことで、それに対する2巡目の評価が相対的に定まってくるものと考えられ、注目していく必要があります。
(2巡目、3巡目の患者さんの原因が何かという、現時点では=個々の患者さんについては永遠に=特定できない問題については、ここでは論じていません)
単純に数だけを列記してみます(2017.2発表との比較)
1巡目(先行調査)2011-2013
確定101+疑い14=115名(2016.6と同じ)
2巡目(本格調査)2014-2015
確定49(+5)+疑い22(-3)=71名(+2)
3巡目(本格調査)2016-2017
確定2(+2)+疑い2(+2)=4名(+4)
累積
確定152(+7)+疑い38(-1)=190名(+6)
この「累積数」は、それぞれの時点での推定発症率の差を計ることができないため、特別の意味を持たないことは何度も書きました。一番下にそのグラフも入れておきます。
推定発症率の推移
これまで、1巡目と2巡目の間隔を全体の平均より長めの「2.5年」として保守的に計算してきましたが、3巡目との比較でもう少し正確に考えるために、先行検査(1巡目)の受診者数の割合で平均化して、「2.07年」を用いることにしました。(グラフでは2.1と表記)
その結果として、2巡目の発症率の高さが際立つことになりました。(それは織り込み済み)
焦点は、今回の4例(確定2例+疑い2例)から、今後増えて行くであろう3巡目の発症率がどの程度になるか。
もちろん、現時点では何とも言えませんが、2巡目の高さまでは達しないのではないかと思われます。
もしそうだとしたら、
1巡目が全てスクリーニング効果による数字だったとしても、
2巡目で「何らかの要因」により推定発症率が高くなり、
3巡目では1巡目に近い数字に収まっていく、
というモデルが想定できるかもしれません。
無論、これはあくまで一つの仮説です。
もし今後そのモデルに近づいていったとしたら、「何らかの要因」が、さほど長期に渡る影響を及ぼすほど強くはないが、短期間・限定的に影響を及ぼしたという仮説を考えておかなければならない。
もし、それを超えて2巡目に近い推定発症率に達するとしたら、「何らかの要因」が、より長期にわたる強い影響を及ぼしたという仮説の妥当性が高くなる。
「何らかの要因」が福島原発事故による放射性物質の大量放出になのかどうかは、個々の患者さんはもちろん、この全県横断・縦断的な調査でも疫学的に明らかにすることはできそうにない。
もし定量的な比較をするのであれば、他県で同様の調査を行い、甲状腺がんの検出率に差がないことを証明しなくてはいけませんが、そのような“再調査”が実施される可能性は、ほぼゼロに近い。
累積数
前述の通り、累積数で増えた増えたと騒ぐのはほとんど意味がありません。
それは、ここに書いたような「推定発症率」を考慮していないからです。