踊る小児科医のblog

青森県八戸市 くば小児科クリニック 感染症 予防接種 禁煙 核燃・原発

福島県の甲状腺がん推定発症率と地域差のグラフ(2017.10)

2017年10月27日 | 東日本大震災・原発事故
10万人あたり
先行検査① 38.3 → 3.8
本格検査② 26.2 → 12.7
本格検査③ 5.1 → 2.5

①はスクリーニング効果10倍として 1/10
②は受診間隔2.1年として 1/2.1
③以降は受診間隔2年として 1/2

前回(2017.06)と同様にグラフ化してみました。


③の推定発症率は2.5で、進捗状況を考えると①の3.8は上回るものと思われますが、②の12.7には遠くおよばないでしょう。
この増減の傾向が明らかなものどうかは、4巡目(2018-19)の結果を見てみないとわかりません。(2020年頃)
当初の予想どおり、判断には10年を要する見込みで、その間、継続的な受診と精査・治療は必要です。


何度も繰り返してきたように、累積患者数が前回の190人から3人増えて193人になった、「やっぱり増え続けているんだ」と考えることに意味はありません。
累積患者数ではなく、発症率の増減が判断の基準になります。

4地域の発見率の地域差をグラフ化してみました。


13市町村では、2巡目の2年間で、スクリーニング効果とされている1巡目を大きく上回っており、13市町村>中通り>浜通り>会津という傾向も明らかです。
もし3巡目でこれと同じ傾向のまま減少するようであれば、2巡目での地域差が意味のあるものとほぼ確定できます。残りの地域の数字に注目していきたいと思います。

---------------------------------------------------------------------
    13市町村 中通り 浜通り 会津 県平均
2011-13 33.5   38.4  43.0 35.6 38.3
2014-15 49.2   25.5  19.6 15.5 26.2
2016-17 13.0   3.8    0   0 5.1
----------------------------------------------------------------------