熊本レポート

文字の裏に事件あり

やはり政治判断・八代市のストーカー燃焼方式

2014-11-10 | ブログ

 薄暗い街から入って来た男は、席に着くなり顔を突き出し、
「あんたの予想は外れとる。日立と西松…」どすの利いた声ながら、そう囁いた。
 そして、「米本・和久田・藤永…」と走り書きしたメモを中指と人差し指に挟んで、放り投げるようにして渡した。
 十一月一日、夜も深まった八代市である。Photo_5
 
馬、牛、羊、豚を並べられて「家畜にしたいものを連れて帰れ」といわれたとすると、人は飼育する時の手間を考えたり、愛玩にするか販売を目的にするかで悩むが、「羊なら散歩にも連れて行ける」と追って言葉を足されると子供なら誰でも羊を選ぶ。だが、選択の基準によっては異なる回答が出るのと、後者の選択も押し付けになることは確か。
 
八代市は環境センターの処理施設選定に向け、その舞台にストーカー、ストーカー灰溶融、流動床方式ガス化溶融、そしてシャフト方式溶融など異なる方式を一様に上げた。民主的で公正という印象にもあるが、それぞれが持つ長所、短所を総合して審査するわけだから当然、そこには「判定基準」という疑問は浮上する。もちろん、それが「シャフト方式溶融炉」と噂通りの事前通知があれば、それは手の込んだ芝居ながら審査においてはこれほど楽な話はない。しかし、それは先の例と同じく強要の示唆であって、審査委員会の存在価値が問われるというより明らかな不正。
「専門的な知識に欠けるから『コンサルタント』や『審査委員会』に任せた」
 
同市はその機種、発注メーカーの決定について「専門家による審査委員会に委託」と語るが、自然科学等の個々の分野で活躍の大学教授(八名)であっても処理施設のトータル的な判断には疑問符が打たれる。彼らの「名誉的肩書」はともかく、「中国製の不良材料指定」とか「審査点数結果とは異なる結果」も飛び出す評価、審査委員会も多い中、その出席率からして「形式的委員会」は想定内。
 結局、実際の判定は八代市側の三名と審査委員長である全国都市清掃会議の技術部長によって決まるということになる。そこで全国都市清掃会議だが、同会議は全ての自治体が参加する法人団体ではなく、環境省公認の公式審査法人でもない。新日鉄住金エンジニアリング、日立造船、エイト日本技術開発等の関係会社が協賛会員として参加していて、該当の技術部長は葛飾区(東京都)清掃工場の元場長。個々の専門家である大学教授らよりは総合的な判断では勝っているとされるが、「公正さに欠ける背景」という批判の声は否定できない。
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これが八代市環境センターにおける機種施設選定、発注先決定の表舞台だが、いずれにしても「審査決定は専門家による審査委員会での結論」と責任転嫁が許されるものではなく、その責任はあくまで八代市に存在する。市民なら不承知、不認識でも通るが、官吏、公吏と称される公務員となると、それは許されず、場合によっては「不作為罪」として罰せられる。
 百二十八億円もの規模となると、一般市民には想像もつかない額というより、その負担を強いられるという認識すら出て来ないが、利権、いや仕事として肖ろうとする者には命を賭けて必死になる大規模事業。遠くに離れて行くようだと激しく追い、舞い戻ると掴んで離そうとはしない攻防が繰り返される。
 
それだけに一般市民とは違って、執拗に朝から晩まで同事業で過ごす間、何を勘違いしたのか、「八十二億から九十八億、そして百二十八億円まで事業費を増やしたのは俺」言い切ったとの噂まで出る…。
 その報酬を求めるのは当然だと言わんばかりに個人の支払い延期の理由にし、それを裏付けにして利用する脇の甘い者。
「市長選挙で五洋建設が金子(代議士)後援会の法被を着て必死で応援」、「中村市長誕生の立役者は金子」
 
そんな小さな噂まで飛び交ったが、シナリオは動くはずのない別本線。
 ただ、沖の鳥島での港湾工事で死者七名を出した新日鉄住金、五洋建設が先行していたのは事実で、それが何のペナルティも科せられず入札窓口を通り抜けたのは、誰が考えても不可解、不道理な話。
 
そして十月、「中村市長が審査委員会において『神戸製鋼が良い』と発言」という噂まで飛び出したが、任せたはずの審査委員会で市長の発言というのも不可解なら、仮に天の声でも多数の門前ならど素人政治家の失態。後で命取りにも成りかねないこんな予測をプロの政治家が言うはずはなく、これで『神戸製鋼は消えた』と判断する方が常識。
 事実、神戸製鋼側で受注に向けて売り込みを図っていた人物が、
「十月十七日、敗北が決定」
 
肩を落として認めた。
 残りは自民党県連の山本秀久会長、村上寅美県議らが「性能の面で優れている」と、審査委員よりもストレートに推薦していた日立ということになるが、その説明に村上県議が成松由紀夫市議(建設委員長)を訪ねていたのは確か。
 
そして東京発信の情報だが、Photo_4十月十六日の夜、園田博之代議士事務所の白石氏が八代市の市議と密談」
 
全く別件での陳情とも無理に想像したりもするが、この会見の噂が想定の決定。
 
総合して判断をして頂けると理解は早いと思われるが、発注先がどのようにして決定されるか、これがそのプロセス。
 
八代市十三万市民へのクリスマスプレゼントの中身は、途中ですり替わりにお歳暮となったが、元の中身は義理と人情で年を越えて合志市か、または天草市に届くか…。