昨年、熊本市中央区に本社を置く(営業本部・嘉島町)建築材料のK商店に国税が特別監査に入って、同社は課徴金を支払った。建設業者の大方が「真面目過ぎる」という印象の通り、同社には予期しなかった特別監査であったが、背景には後述するZ社と建設会社との取引による一次特別監査があった。
国税は昨年、連動汚職事件の最中、上天草市で同市の漁協に入った後、メガネ販売のトップ企業にも不動産売買に絡んで特別監査に着手し、そして続いて地元企業グループの統括社であるZ社に踏み込んだ。アベノミクスをフォローする意味で税収を図るという趣旨にあるが、一方には検察とともに「悪は放置しない」という姿勢で調査権を行使しているのも確か。
ところで建設会社との取引でK商店への二次監査を招いたZ社グループは、親会社のイメージ広告がプロバガンダ効果を発揮して、いまや全国区のメジャー企業。だが、過去には同グループの警備会社が自ら窃盗事件を発生させ、同社社員による労基法違反容疑の通報は頻繁で、労基監督署では同容疑の「常習企業」という印象にある。また同グループの総合病院では、敷地で囲んだ調剤薬局という「厚生労働省通達違反」があって、県内の調剤薬局、総合病院辺りには沈黙の批判が多く存在する。
同グループの警備会社には当時の本部長が猛反対する中、県警OBを迎えて企業の健全化を図ったという実績もあって、さらなる監督官庁とのパイプづくりが予想されるが、同社の創立期を知る経済人は「国税の特別監査だけは阻止出来んよ」と呟いた…。