熊本レポート

文字の裏に事件あり

火の国が 阿保に思える 大晦日 と詠みたくなる低精度の上天草市政に観た熊本県の物憂い自治行政 第三弾

2015-12-30 | ブログ

 公務員は公衆への奉仕者として重き職責にあるが近年、社会環境の変化がそうさせたのか、そうした彼らが最も責任回避の姿勢にあると語られる。意識的に悪行に走ることなどないのは確かだが、自己保全を第一として「要らぬ部分にまで手を出さない」という生き方の彼らが増えて、それが逆に「自治行政の停滞、市民の損失」という危うさを生んでいる。それが先述した「過失、幇助罪容疑」でもある。
 繰り返すが、該当事案は地域住民から出た陳情に基づき提出されたものではなく、「一年ほど深慮しての提出」(赤瀬同市用地課長)の通り執行部によって浮上した事案とされた。そして、その背景は黄色のK市議会議員が所有権者とする公衆用道路の市道化ではなく、該当住民から出た「国有地に残されたコンクリート外壁、生け簀の撤去」であったことだ。その回答が「用地交換」となると、論点としては噛み合っていないし、明らかに履き違えた施策。
「撤去を求めたが、なかなか応じてもらえず、裁判となると占有権(コンクリート外壁、生け簀)の問題があって勝訴する可能性は低いと弁護士からアドバイスもあって、それでは無駄な出費になると想定し、そこで用地交換という結論に至った。245㎡と450㎡との評価額には大差はないと算定し、交換という策定となった」(赤瀬用地課長談)
 別事案として同じ舞台に上げるつもりはなかったが、上天草市からは「一連の贈収賄事件でも乗用車が安価な値段で渡った相手はK議員の家族だし、漁業信用基金協会への債務も市が債務保証していることをよいことに履行せず、同協会から訴訟の話が出て、3800万円余り市民の金を弁済させたのもK市議」という話も飛び込んできた。その3800万円の代理弁済に続いて、今回の「撤去に応じてもらえず用地交換」となると、同市の同提案は卑屈からの愚策という評もされる。また「正義に勝ち目はない」と進言した弁護士も誰かと興味もわくが、二倍程も面積の違う用地の交換に「評価額に大差はない」とする同市の算定書にも疑問符が打たれる。K市議サイドで考えると、「生け簀は残せ」(該当解体業者談)からして思惑通りとも言え、第三者には該当事案が「K市議による個人的な提案」という疑いも浮上する。
 しかし、市民側から考えると、悪いのはK市議ではなく上天草市。提案された「27年度上天草市一般会計補正予算第8号(用地交換)」の発生源は見逃した「国有地での民間による海産物加工場の建設」という過失にあって、また違法に基づき撤去させた際の「コンクリート外壁、生け簀の放置」も「現状復帰」を怠った上天草市、熊本県の責任。
 ここで「国有地での営利活動で得た利益回収」とまではいわないが、正常な自治行政なら問題の検証を改めてし直し、適法な処置を下すのが先決。過失、幇助を棚上げ、隠蔽して三段、五段上の「用地交換」という不道理な施策を考えると最早、論ずるに値しない自治行政。
 訴訟どころか、一連の流れの検証について選挙権を得る高校生に託したとしても「不道理」の結論は明らか。しかし上天草市議会は、該当地の議員が反対したにも拘わらず、他の賛成議員多数で該当事案は可決となったが、「その根拠は何か」と尋ねる以前に卑屈、無見識さに呆れる。そして大晦日に後一つあるとすると、こうした低精度の自治行政は、残念ながら上天草市に限定されるものではないという投げる重たい玉・・・。
 輝かしい新年を迎えられますことをお祈り致します             K拝