熊本レポート

文字の裏に事件あり

天草広域連合の新ごみ処理施設への初めてのお使い 第2回 公募型総合評価方式の入札は98%が官製談合

2021-10-10 | ブログ
 昨年、宇城広域連合(代表・守田憲史市長)は市民の目の届かない密室で、100億円余りも投じるゴミ処理施設を日立造船に発注したが、何を正義の眼から隠したかというと、それは総合コンサルタントを委託した日本環境衛生センターについて、日立造船の入札、受注共同企業体に同社を入れ込んだ事にあった。
 入札参加資格要件として、「本事業に関する検討を委託した企業と資本関係、人間関係において関わりのある企業は、本入札から除外する」と記載されているのだが、守田代表は感謝の意をもって特定の入札参加グループに入れ込み、そして同グループに発注を決めたのである。
 チェック機能は、どうだったのかとなるが、該当市町からの組合議員には、この点を隠して発注承認、同意を求めた。



「知ったのは承認議会の終わった後」
 組合議員は悔しさを隠し切れないのか、今でも憤慨して語るが、そんな侮辱(議会軽視)に対して不服申立て、再入札の訴訟を起こすだけの気概ある議員が居るかとなると、天草市議会と同じく願わくば、市民よりも我が平穏無事。
 そもそも陸に上がった日立造船と、日本環境衛生センターには、疑うべき下地があった。
 それは八代市、そして菊池環境保全組合と連続して受注し、宇城広域連合でも同社受注の有力話が漏れると、
「熊本県は公正、公平に欠いている」
 そんな入札辞退組のメーカーが続出。
 調べてみると、何の事はない、日立造船、日本環境衛生センターともに、熊本県の責任者は県OB。しかも日立造船は県三役まで務めた人物。
 何を隠そう、それを否定する材料が見つからない程、代表の守田市長は忖度しての入札を実施した訳だ。それが先述したルール違反、不正入札。
 ところで、宇城広域組合での入札騒動が真っ盛りの頃、
「天草広域のゴミ処理施設の入札も遠慮しょうか思っている」
 そんなメーカー側の声が飛び込んで来た。
 その理由は、日本環境衛生センターのT氏が、日立造船のY氏を伴って中村天草市長を訪ねたというのだ。
「コンサルがメーカーの営業を表だって手伝うとは前代未聞。業界として告発、訴訟の話まで出ている」
 複数のメーカーからは、かなり強硬な話まで出た。
 その後、中村市長の不幸な死去があって、馬場昭治市長の誕生となったが、「K副市長と、与党派中心に座ったO市議が、果して、その話(コンサルの紹介でのメーカー営業)をどう聞いているか、禅譲(日立造船)なら不参加」と、遠くに居るメーカー側には市長選どころでは無かった。



 入札の構図は、誰が描くのか。
「副市長とO議員、そのアドバイザー兼メッセンジャーが事務局長ではなく、N推進課長」
 これは筆者の推察ではなく、メーカー側の見解である。
 ところが意に介さず、馬場新市長は、東北震災時、家業の地金屋、即ち鉄鋼、鉄材の営業で東北に長期滞在していたのだ。
 これなら鉄鋼グループのメーカーとは、簡単に接触可能。勿論、メーカー側からの接触でもある。
 そして、ここに来て天草広域連合の該当事業に関する実施方針を開いて驚いた。
 事業者選定委員会の委員に、学識経験者の二人の内の一人が、宮城大学の教授なのである。
 他の広域事業組合の場合、選考委員には熊本大学、熊本県立大学の学識経験者を据えるし、さらに優秀な教授を迎えるとなれば、遠くても九州大学の教授。
 それを宮城大学から迎えるとは、巷の噂とは異なり、馬場新市長も凄く意欲的。
 そして、該当の宮城大学教授の論文、経歴を見ている間に、馬場市長の描く新ゴミ処理施設の計画が浮上して来た。



 多分、失礼ながらK副市長やO議員では考えられない構図。故中村市長にも決して劣らぬ行動力、それを知らされた思いがするが、秋の長い夜とはいえ、焦点の入札までは、まだ約1年。
 ゆっくり、限られた賢い人に解いて行く道筋を語りたい…(次号へつづく)