熊本レポート

文字の裏に事件あり

明日はどっちだ(次期熊本市長)!?「どっちもどっちだ!!」

2014-09-08 | ブログ

?口元まで持ってきたコーヒーカップを止め、目くじらを立ててそれを投げ付ける気分の市民もいるだろうが、ポスト幸山(次期熊本市長)は繰り返すことになるが現職の4選不出馬宣言と、それに続いた大西一史県議の立候補表明というシナリオ通りという様相が色濃くなってきた。流行の「後出しジャンケン(優勢)」を阻んだのは、その彼らに未だ生きる「肥後の引き倒し」である。 Kimg0017_7    
?政策立案能力、リーダーシップ、それに倫理観が首長には求められるが、政令指定都市の首長ともなると場合によっては知事以上の資質が要求される。しかし肯定、否定は控えるが、「チャラ男で執行役など端っから無理」、「ハゲタカファンドに詐欺は付き物」、また「市民派どころか政治に関わってはならない立場に有りながら特定の県議とは物心両面で昵懇の間柄」と、候補予定の顔出しの段階から市民には満足度50パーセントにも至らぬ状況。これでは「我が政令指定都市(熊本)の市長」とは言い難い。
?ここではその「政令指定都市に相応しい市長論」は棚に上げ、候補選定から選挙予測に絞ったまとめとするが、自民党推薦、公認問題で出て来た「約束の盆前には決められず、9月に入っても出て来ない」(某県議)といった選考委員長(江藤市議)批判は筋違い。同背景には同党支部長である代議士らの自らの次期選挙での公認問題があって、「敗戦責任」を懸念しての探り合いが影響を与えた。平成24年の山梨選挙区における選考会でコスタリカ方式は復活を見せたが、地方区公認候補と比例区公認候補とでは大人と高校生くらいのレベルの違いが彼らにはあって、その争奪が陳情へ上京する地方議員まで関与させられている。そんな中、「敗戦責任」を取らされる戦術にでもはまったら後悔ではすまなくなる。これが代議士らの動けない理由で、それでは無視すれば良いかとなるが、政党の組織というのは簡単に片付けられない重さもあって、こうした理由が自民党の選考委員会に影響したといえる。結論からいうと、「勝てる」と確信するまでの候補者が現れなかった、ということになる。県外では「負けない候補」として野党との相乗り候補の擁立まであるが、野党が衰退した熊本では相乗りの相手は市民派。
?8月7日に実施した「明日はどっちだ!?(熊本市長候補に誰を支持するか)…200人の市民に聞きました?」でのアンケート結果は1位が上田晋也氏(タレント)で、それに大西一史県議、細川佳代子さん(元総理夫人)が続いた。ここまで名前の上がった候補予定者の中では、大西県議がダブルスコアでの第1位。
?民主政治には、そのリスクとして選挙で票の格差問題が存在する。 票の格差問題といえば民主政治の条件として、数の格差問題が上がる。しかし、整われる民主政治上での一票の質という格差も明らかな問題。それだけに説明も難しいが、日頃の生活態度を注意される孫の一票とそんな孫の将来を心配する爺さまとの一票が平等とか、極楽トンボの一票と眼球の鋭い鷹の一票とが価値的に同じというのは、ある面からだと負を生む平等。裏を返せば、タレントを並べて数合わせで政権を維持、奪還したり、また飴を配って議席を取得してきた政治が、それを都合が良いとして啓蒙を怠ってきた結果でもある。それが時に理想政治とはギャップを生む選挙結果を作り出したりもする。だが、日頃の生活の厳しさから朝から晩までがまだす(頑張る)市民が、朝からパチンコに興ずるPhoto_7保護受給者を恨めないのと同じく、現行選挙3_2制度の中でいかに「理想政治(自治)」を実現するか、それが政治を志す者、それを支持する市民の使命ではなかろうか。「繰り返す結論」を覆す秘策はあるか、ということになるが、先述した格差なき有権者にその糸口はある。即ち市民の側というスタンスを逆手に取っての運動となるが、短期勝負で要  するエネルギーは予想以上に想定され、効果ある戦術を効率的に図れるかとなると、先行有利のトップが条件的に手強い過ぎるという結論に戻る。
?現在、出馬を表明した人、その可能性のある人は大西県議(46)、市議の下川寛氏(54)、経営コンサルティング会社代表の加藤智治氏(39)、市観光文化交流局長の坂本純氏(60)、そして東光石油会長の石原靖也氏(60)、シアーズホーム社長の丸本文紀氏(59)の6名。
?客観的に、そして冷静に覗く者にとっては面白味のない11月の熊本市長選挙…。幸にして立候補者の公開討論会も企画されているが、願わくば質の高い、奥の深いテーマでの討論として、無回答も市民に解りやすく広報してもらうことが主催者側には求められる。出馬から投票まで市民にはイベント、候補者にはパフォーマンスとなっては、これほど真の市民社会にとって悔いの残る悲劇はない…。


悪しき感覚を捨て札束を拒んだJA新熊本中央会の本気度が問われる新熊本会館発注での自浄作用!?

2014-09-01 | ブログ

?我が国の食料の大半は、人口の3パーセントにも満たない日本の農家が支えている。「関税0の農産物が入って来るわけで心配無用」とTPP参加を歓迎する消費者もいるが、これは安全保障の面から重大な問題。農家の平均年齢65・8歳という後継者問題を考えても農政の失敗は明らかだが、当の農家、農業団体の責任も決して否定は出来ない。Kimg0040111_3
?2011年6月、埼玉県内のJA組合長選挙でカネがバラ蒔かれた。背景にあったのはJA厚生連病院の新築問題。この時、JA埼玉県中央会長は「他人のカネ(JA資金)で事業をするというJAの悪しき感覚を捨て、自分が身銭を切って真剣に事業を進めていくという意識が必要」と語った。
?ところが今年6月、JA熊本中央会長選挙でも100万円から500万円のカネが配られ、この背景の一つにも「JA新熊本会館の新築問題」があった。「公職選挙法には抵触しないから500万円を貰っても罪には問われない」という声も出たが、JAトップにコンプライアンスは求められるわけで、この見解からしても恥じるべき倫理観。敢えて名誉のために付け加えるが、同会新役員は返却組。
?同前会長はJA熊本信連(現在は農林中金と統合)会長の兼職時代、不動産会社を設立して「競業者の役員等への就職禁止」(農業協同組合法第42条)が問われるか否かが浮上。同法には抵触しないとされても倫理上は明らかに問題。ところが先述の「JAの悪しき感覚」ではないが、自浄作用が彼らにはない。会長選挙でカネが配られたという不正選挙もそうだが、その背景として語られる「JA新熊本会館建設の疑惑」が求められる自浄作用。
?JA新熊本会館の建設については当初、「農家も農協も厳しい局面にあって、郊外に移転して予算に見合った規模での新築」といった案も単農協長辺りから出たが、前会長の「農林中央金庫も入居」という理由で現在地の土地をJA三井リースに担保提供し、同社の資金をもって建設。JA熊本は賃貸料を支払いながら、それを返済して自己の建物とする、といった方法を選択。事業の策定は三井リース建物で、設計は三菱地所設計で進められ、9月19日に入札参加の建設業者が発注者となったJA三井リースに見積書を提出して、10月には同社から落札、発注業者が発表される予定。こうした事業計画から「発注者はJA三井リースであって、JA熊本が同入札に関与できる余地はない」という見解も間違いではないが、これは住宅ローンに頼る市民社会での住宅建設でも通用しない屁理屈。また「民(JA三井リース株式会社)と民(ゼネコン・株式会社)との発注契約で、第三者が関与出来る事業ではない」という詭弁もJA熊本中央会からは出た。
?ところが、土地の所有者はJA熊本中央会であって、期間限定の入居であっても同中央会は家主。時に歪んだ意向を発信し、時にはJA三井リースを壁にしてそれを否定してきたのではなかったか。そもそもJA三井リースは政府系金融機関(農林中央金庫)、全国農業協同組合連合会が大株主で、取締役も送り込んでいて、少なくともJA農家には関与出来る権利が存在する。それを代理代表するJA熊本中央会新役員には、組合である農家に対する責任上からも影響を発揮する権利がある。
?一方、JA三井生命リースにしても、こうした意見を真摯に受け取り、それに誠意をもって応えるとして「コンプライアンス統括部」を設けていて、JA熊本中央会が自浄作用に動くとなると条件、舞台は整っているわけで、そこに何の弊害もない。問題は、同中央会の新役員が自浄作用に動くか否かだけといえる。Photo_6
?それでは何に向けての自浄作用かであるが、それは先述した「金権選挙」の背景の一つとして同中央会役員の誰もが承知している「JA新熊本会館建設」に絡む疑惑。
?本年1月、地元建築関連業者の間で「T社(大手ゼネコン)がJA新熊本会館の建設に向けて下請見積もりを集めている」という噂が流れた。見積もりに図面、仕様書を要するのは常識であって、現地説明会(8月19日)の半年以上も前にT社は図面を入手していたと想定される。そこに関与したのは誰かであるが、丁度その頃、その先行して営業力を発揮したと推定される人物の名前が東京サイドから飛び出て来た。発注側からの意図としない流出であった。
?その人物とはT社の熊本営業所前所長のH氏で、現在は同社九州支店の建築営業部長。
?決して断定はしないが、これがJA熊本の理事辺りなら誰でも承知の「JA新熊本会館の発注先はT社に事前決定」という事前情報の裏で、疑惑は極めて濃厚と推察される。政治倫理は司法で判断されるものではなく、疑われた時点でそれは問われる。会長選挙で罪には問われないとしてもカネが配られ、その背景に「JA新熊本会館問題」もあったと囁かれては、その疑惑解消に努めるのは新役員の務めではないか。
?熊本の農家6万7000戸の信頼に応える上で、日本の食料を担う誇りからも悪しき感覚、慣例を断ち切る行動が、いまJA熊本中央会新役員には求められる。「疑惑を持たれたJA熊本会館」という称号を後世に遺すか、それとも「明日の農業のために変革」という評価を得るか、その判断は残すところ一ヶ月…。