熊本レポート

文字の裏に事件あり

熊本県の疑惑公共事業を考える市民講座 第3回 宇城広域連合の廃棄物処理施設建設 2

2019-08-12 | ブログ
全て、そうだと断定はしないが、「ホワイト国除外」など賛否報道されている外交問題には代議士並みの積極的な参加を見せても、肝心の該当自治には評価、監視能力を全くといってよいほど持たない地方議員が極めて多い。


国は環境保全の趣旨から循環型社会形成づくりを地方自治体、住民に責任として求め、それを法律化。同時に、それに基づいた廃棄物処理施設の建設(エネルギー回収率15・5%以上)には、その規模に応じた推進交付金を決定。
ところが宇城広域連合(会長・守田宇城市長)は平成31年1月、回収率15・5%以上(処理能力95トン以上)と計画発表していたが、その2ヶ月後の3月に10%以下(95トン以下)に大胆修正。
前述した通り、ここで良し悪しはともかく誰が、何の理由から修正を図ったのか、それが先ず問題。
例えば余剰電力への電力会社の対応状況とか、また現段階における蓄電技術能力とかの問題も想定されるが、そこには国策という保障が優位に存在。
こうして考えると、「ごみ収集量からして規模縮小で十分」という理由も想定される。即ち、僅か2ヶ月の間での規模縮小案の浮上。


それでは誰が、その規模縮小に手を付けたのかとなると、それが広域連合職員では無理。失礼ながら能力的にもそうだが、それより責任上で不可能というのが関係者の一致する見解。
宇城広域連合は、アドバイザー業務を日本環境衛生センターに委託。
日本環境衛生センター熊本営業所(熊本市中央区神水)の所長は、熊本県OBの田北茂氏。彼は在庁時代、水環境専門の技術職員であったが、彼が火について単独で責任をもって審議、判断するわけではなく、同センターがアドバイザーとして、同じ表は宇城広域連合であっても、各廃棄物処理施設メーカーのデータ、資料を表裏の形で取得し、それらの中で短期(2ヶ月)に修正としたというのが最も妥当な見解。
一方、単純に規模縮小とした場合、その結果で別に何が想定されるかだが、それは横綱から小結までの土俵を幕内力士までの参加に拡げたことにもなる。決してこれも断定はしないが、「規模縮小から幕内力士参加ではなく、その逆で…」といった所見も同事業経験の他関係者からは出る。
これほど該当広域住民に対して、失礼な話はないが、そこにも彼らの検証の上での理由があった…。(3へ続く)

※訂正→回収率15・5%(処理能力95t以上/1日)→10%以下(95t以下/1日)へ修正


熊本県の疑惑公共事業を考える市民講座 第2回 宇城広域連合の廃棄物処理施設建設での疑問点

2019-08-11 | ブログ
熊本県の宇城市、宇土市、そして美里町からなる宇城広域連合(守田憲史会長・宇城市松橋町久具)が、既存のごみ処理施設が老朽化したことに伴って、回収型廃棄物処理施設の建設に着手する。
さて先ず何故、この事業をここで取り上げるかであるが、それは100億前後の公費を投じる大規模事業にも拘わらず、それが極一部の関係者によって進められている状況にあると判断し、それを知る権利ある住民に理解して貰う目的にある。
ここで、その詳細は省かせてもらうが、該当連合の施設業務に無資格の業者が参入、また疑問符の打たれる発注業者結果が出ているといった情報が漏れ出て来ると、2市1町の議会から運営委員として参加している議員においても、その全てを把握しきれていないのではないか、といった疑問が浮上すると市民、住民には尚更ではなかろうか。

今回、計画を予定している新設の廃棄物処理施設は、「エネルギー回収型」である。
国は環境保全を目的にして、循環型社会形成の推進に向け、地方自治体及び国民に対し、その責務を求めた法律を定めて施行。
エネルギー回収型とは、ごみ処理の段階で発生する熱の再エネルギー化であって、その1つが再新電力。
国は回収率15・5%以上の自治体の施設(廃棄物)建設には、循環型社会交付金を支援すると打ち出した。
ところが処理能力95t/1日、回収率15%と1月に計画発表していた宇城広域連合が3月、それを95t以下/1日、10%という国の推進方針とは逆行した形で修正。

もちろん、何ら補助金を受けられない状況に至ったわけではないが、誰が何の理由で僅か3ヶ月の間に修正したかが疑問。
前述した宇城広域連合の内情から、極一部による修正への関与という想定は当然なのだが、1番興味ある発注先においても不穏な動きが始まっていた…。(3回に続く)


熊本県の疑惑公共事業を考える市民講座 第1回 鹿島・大成・清水・大林

2019-08-10 | ブログ
スーパーゼネコンの清水建設は、『子供たちに誇れるしごとを』をキャッチコピーとするが、その清水建設が昨年、リニア新幹線工事の談合事件で東京地検特捜部に摘発され、約7ヶ月間の指名停止を受けた。
しかし同社は「鹿島、大成、大林の誘いを断れなかった」とし、その後の捜査に協力したと「情状酌量」が認められて不起訴となった。
その清水建設が7月26日、大津町の新庁舎建設に向けた入札で、それを39億551万7000円(落札率92・91%)で落札。


いや、そうです。同入札は1月、西松建設・宇都宮建設JVが37億6088万4000円(落札率97%)で落札した経緯にあった。
ただし、同入札は他に入札参加業者がなく、西松・宇都宮JVの単独入札であったことから不成立。
そこで大津町は県に相談したところ、「2回目も単独なら成立」とアドバイス。その2回目の入札予定が3月19日であった。
その聞の動きは省略するが、「震災復興、オリンピック事業で仕事量が集中してやむなし」といって自治、入札等の法律を棚上げし、それが通用するかであり、その責任を誰が取るかである。
金額は設計変更で加算された理由での増額だが、今回の入札に西松建設も参加したことを考慮すると、落札率が97%から92%に下がったことで、12市町村に副長としてOBを送り込んでいる熊本県の単独判断には疑問符が打たれる。
さて次は8月22日、総合評価方式での入札が開札となる八代市の新庁舎建設だが、業界や八代市関係者からの信じがたい情報は棚に上げ、100億円を超える事業への参加業者は鹿島、大成建設、大林組、前田建設工業、そして竹中工務店、五洋、戸田、三井住友建設と指名停止、工期問題等から8社が浮上。


だが順当なら鹿島、大成、大林、前田、竹中の5社。さらに無理に絞ると3社の争いと外側には想定される。
しかし大成はリニア新幹線談合事件で吹き出したJR東海への土地譲渡問題が懸念され、また同裁判で鹿島は「JR東海からあらかじめ受注業者が決められていた」と、官製談合を匂わせた。
東京地検特捜が、裁判の中で反発された事から八代市まで出向いて来ることもなかろうが、この裁判中の2社を発注側がどう取り扱うか、である。
となると、地元代議士の事務所から漏れ出た「MAEDA」で動いている下請け業者が笑顔となるか、であるが、意外な竹中が飛び出して来ても、鹿島の証言を端なっから否定出来ないことだけは確か…。

全面撤退でも天下りだけは残したとして熊本県が「誘致企業」だと全面支援する日立造船と守田宇城市長を連合長とする宇城広域連合の新クリーンセンター建設事業計画

2019-08-08 | ブログ
熊本県から撤退しても県から元三役を迎え入れ、誘致企業を装い「県からの全面支援」と語られる日立造船の次の狙いは、同じく清掃センター建設を事業予定している天草市、いやその前に宇城広域連合(守田憲史連合長・宇城市長)における廃棄物処理施設(エネルギー回収型)の建設。
宇城広域連合は現在、宇土浄化センターの改修工事を進めているが、ここで受注(約38億円)したのも日立造船と浅野環境(日立造船の100%子会社)とのJV。
多分、全国の同種工事に携わる関係者の中には、これについて不可解という反応を見せられる人も有るかと思うが、資格のない業者をクリーンセンターの業務に参入させたという情報まで紹介すると宇城、宇土市議会、美里町議会から派遣された環境議員の検証能力がどの程度のレベルかお察し頂けるのではないか。
該当広域の住民の方には失礼ながら仮に発注に特定の思惑が動いた場合、「赤子の手を捻る」といった形で凄く簡単と、そうした声も関係者から挙がる。


さて宇城広域連合は既存のごみ施設が老朽化したということで、新たなエネルギー回収型産業廃棄物処理施設を建設するのだが、当初の計画(1日の処理能力95トン以上・回収率15%)を3ヶ月で修正し、処理能力95トン以下、回収率10%とした。
1年前後もアドバイザーの協力を受けて作成された計画が、その3ヶ月後で修正されたとなると、そこで何があったのか。
ここでの段階で色々と推測しても無駄なんで、それは入札後として「エネルギー回収率を高めても九電が購入してくれるか否か」という懸念もあったとする。
事業費は公表されていないので、処理トン数から想定すると焼却炉の建設費が70億円前後、それに期間35年間の運転管理事業費を加えると100億円前後には試算される。
八代市の新環境センターと比べると、「規模が小さい」と入札参加を見送るメーカーも出ているが、そこは日立造船なら大丈夫。
同社は1日処理能力100トン以下を専門とするメーカーとして、100%子会社のエスエヌ環境テクノロジーを抱えていて、9月には明らかになる入札参加メーカーに同社が認められると、親会社である日立造船の代役として能力は十分。
ところで日立造船にしろ、また同社の子会社であるエスエヌ環境テクノロジーが、総合評価方式という聞いただけでは複雑な入札で楽に落札、受注出来ることでないのも確か。
ここで断っておくが、発注者ではなく、この事業について「先にありき」で述べているわけではない。
そうした前提で続けるが、その入札条件として、「アドバイザー業務委託団体と関係のない業者」と明記してある。だが、そのアドバイザーである日本環境衛生センターの賛助会員と記憶していたのが日立造船。
そもそも総合評価法式の入札は、設備の性能面での評価点と、入札価格を点数として、それを合算して落札が決定されるわけだが、それを審議するのが宇城広域連合では環境審議会。
落札は1番安い入札が落札業者となるわけでもなく、また性能が最も優れた設備メーカーが落札するとは限らず、表現は悪いが、某審議会から漏れ出た表現通りに「繕いの場」とすると、その数合わせが難儀なことは十分に理解される。
ここでの環境審議会メンバーは8人だが、主要な審議委員は会長の篠原亮太熊本県立大学前教授と、副会長の前述した日本環境衛生センター(アドバイザリー業務)熊本営業所長である田北茂氏。
篠原会長は元北九州市役所職員で、そこから県立大学教授といういう異色の経歴を持った水環境専門家。個々との接触があったか否かはともかく落札業者、いやいやメーカーには難しい人物という見解もある。
一方、副会長を任せられた田北氏は、日立造船に天下った山本理氏と同じく元は熊本県庁勤務。後述することになるが、二人は極めて親密で同行活動の証言もある。これが入札条件に抵触しないか、そうした声も浮上するが、それは後述編でも述べるとして、ここで問題なのは田北氏も水環境が専門という点。
この水専門の二人が、火の方を審議する会長、副会長となると、素人観でも面白い数合わせになると、同種の審議会常連の教授も語った。
入札結果は10月頃と想定するが、その前にさらに暑気払いの話を…。


誘致企業として熊本県が全面支援した日立造船が消えても抜群の強さを見せ付ける裏には県幹部の天下りがあった

2019-08-06 | ブログ
熊本県内の自治体幹部が「誘致企業で熊本県が全面バックアップという話は嘘だったのか」と、自らの認識不足を棚に上げて驚きを見せた一週間後の8月6日、日立造船株は前日比43円安の331円という暴落を見せた。
改めて繰り返すが2015年に八代市が計画した新環境センターの建設、運営を180億円で受注した日立造船は、続いて2017年、菊池環境保全組合の新環境工場の建設、運営を同じく180億円余りで受注。
そして、さらに宇城広域連合、天草市が事業計画しているごみ焼却清掃施設にも触手を伸ばしているとなると新日鉄、三菱、住友、荏原等の同業メーカーではなくとも「日立造船は何故に熊本県で強いのか」という疑問符が打たれる。
その理由として浮上したのが、発注側の関係者(自治体・関係議会)から出た「日立造船は誘致企業」。


「長洲町に完成した有明工業団地に真っ先に進出してくれたのが日立造船(1973年)。この時、熊本県は全面支援を約束し、人的繋がりも深めた」(当時の関係者談)
2015年の八代市での180億円の受注と、同じく180億円余りの菊池保全組合からの受注の間で、熊本県環境局長、また会計管理者という県三役まで務めた山本理氏が日立造船に天下った。
それまで熊本県は日立造船との約束通り、人的繋がりはあったのだが、その営業功績とは言わないが、県三役クラスを迎えるとあって日立造船は、それまで二本木に置いていたプレハブ風の熊本営業所を熊本市上通りのビルに移転。


ところが、だ。この誘致企業が消えていたとなると、どうなるか。
2002年、日立造船は造船、海洋部門からの撤退を決意し、環境設備、産業機械の製造会社への展望を図って、有明工場の熊本県から撤退。船を造らぬ造船会社となった。
「合弁会社として日立造船は残っている」
関わった地方自治体から追い討ちを掛けられたが、現在の有明事業所を所有する『ジャパンマリンユナイテッド』での日立造船の株所有比率は8%。
残りの90%余りの株はJFE、IHIが所有。ちなみにこのJFE、IHIの関連会社も環境設備は主事業としており、「日立造船は誘致企業」という認識が取り外されることはもちろん、環境設備等での「誘致企業としての優遇は除外される」ということになる。
それでも「熊本県1番目の誘致企業」という背景を押し通すとなると、表現は悪いが「ホワイト国除外」と同じく平等に戻すべきという論理にある。
こうして考えると、仮に「忖度」があったとすると、それは発注側の認識不足からの「天下り」にあったとも想定される。
果たして、これらを宇城市、宇土市民、また天草市民がどう考えるかであるが、環境清掃施設の発注に関して、それに強く関わる天下りが、後1人いた…。