2000年の雄山噴火ですっかり緑を失い、禿山になってしまった三宅島雄山周辺の緑化のための植林ボランティアに参加してきました。
金曜日の夜22:00、東京竹芝桟橋からほぼ満席の「かめりあ丸」で出港。 東京の夜景を眺めながらの出発です。(ピンボケの写真ですが・・・)
船の上をかすめて超低空で羽田へ着陸していく大型ジェットはなかなかの迫力でした。
翌土曜日の早朝5:00三宅島着。
直ぐに民宿(船宿「天狗屋」、かの有名な釣り名人高橋哲也氏のご実家です。)にチェックインし、2時間ほど仮眠。
目ざめるとすっかり夜も明けて、青空が広がっています。民宿からは御蔵島と未だ火山ガスが立ち上る雄山が一望できます。
民宿で朝食を摂った後、9:00から雄山南側斜面の中腹あたりでの植林です。
一面、火山ガスで立ち枯れた木の残骸と、むき出しの赤黒い溶岩土の斜面が続きます。 ところどころにシダとススキが生えているだけで、木は1本も無い、荒涼とした景色が広がっています。
島の森林組合の方のお話では、火山から噴出す亜硫酸ガスと、これが溶けた雨(強度の酸性雨)のためにこのような状態になり、土壌が酸性化してしまったために緑がなかなか復活しないそうです。 唯一酸性土壌でも自生するのがシダで、徐々に酸性が薄まり、中性に近づいてくるとススキが生えるそうです。 今回植林した場所は、正にススキが生え始めたところで、これが植林開始可能のサインとこことです。
放っておいても何十年かのうちには緑が復活するそうですが、少しでも早く緑を復活し、土石流などの災害を防止すると共に、元の自然を取り戻すための植林ということです。
確かにいたるところに土石流でえぐられた小さな谷と、更なる土砂流出を防ぐための砂防ダムがあります。
ということで、地元の森林組合の方々の指導の下に、約100名のボランティアで3000本の苗木の植林開始です。
植林する場所はバスを降りた休憩所から数百メートル斜面を下ったところです。 3000本、約150箱くらいの苗木をその場所まで運ぶために、先ずは100人のボランティアが2m間隔に並んでのバケツ(苗木)リレーの開始です。 この作業だけで約2時間掛かりで、腕が上がってしまいました。
その後、鍬を使っての植林開始です。 一人平均約30本、島の方々が用意して下さったお弁当の昼食を挟んで、午後2:00頃ようやく終了。
足場の悪いデコボコの斜面での作業で、汗だくになりました。
植林が終わって村営バスで下山を開始する頃になって雨が降り始めました。 植林あとの恵みの雨です。
村営バスで1983年の噴火で溶岩流に埋まった阿古中学を見学した後、島で唯一の村営温泉で疲れを癒し、ようやく民宿へ帰着です。
夕食は、さすが釣り宿だけあって、新鮮な魚尽くしの最高の料理でした。
味噌汁にはなんとイセエビが入ってました!
翌、日曜日は帰りの船が14:00出港のため、空いた午前中を使って、宿の船で沖釣りを楽しみました。
ムロアジを釣った後、これを餌に「泳がせ釣り」に初挑戦しましたが、結果は惨敗!
ヒットした獲物があまりに大き過ぎて(船長の話では10~20kgくらいのカンパチだろうとのこと)、持参した中型の両軸リールでは全く歯がたたず、あえなくバラシです。
30cm以上のムロアジを食うのですから、どんな大きさか・・・・4~5kgクラスのワラサは釣ったことがありますが、全然別世界の異常な引きでした。 五目つりの方は、初めてお目にかかる魚が何匹か釣れ、それなりに楽しめました。(全部リリースしてきました)
大型の大物用リールを是非とも手に入れて、リベンジします。
12:00におか上がりし、荷物をまとめて13:00に港へ出発。
なんと!あの高橋哲也さん運転のバンで港まで送っていただきました。 民宿から釣り船までの送迎も高橋哲也さんの運転で、短い時間でしたが色々な貴重なお話を直に訊くことができ、感動しました。
14:00三宅島出港、前日の植林でお世話になった森林組合の方々や民宿の方々が大勢見送りにきて下さり、紙テープ越しに盛大な別れを惜しみました。 感動的でした!
だんだんと遠ざかる三宅島。
20:00竹芝桟橋帰着。 大島付近の夕焼けと東京湾の夜景が最高に綺麗でした。
釣り船以外の船に6時間以上も乗ったこと、三宅島、植林、ボランティア、外洋での大物泳がせ釣り・・・全てが初体験の、人生でも稀な密度の濃い週末でした。
ボランティアの機会があればもう一度参加しようと思います。
今回植林した苗木の生長の確認と、大物カンパチのリベンジの両方を楽しみに・・・・
あぁ疲れた・・・・