モデルアート誌の4月号の特集記事にも登場しますが、私がプラモデル少年を卒業する直前の1960年代の終わりから1970年代は、国内ではスケールモデルの全盛期だったように思います。(記憶が間違っていたらお許しを)
この時期プラモデル業界も景気が良かったのか、この時期のキットを見ているとメーカーや金型職人さん達の今では感じられないような「勢い」が感じられます。
オオタキ(現在はアリイが継承)、フジミ、ニチモなど、飛行機モデルに関しては今ではちょっと二流のイメージがあるメーカーも素晴らしいキットを作っていました。
私は、この頃のこれらのキットはとっくに廃番になっているものと思い込んでいて、中古屋やネットオークションで見つけたら買うという感じでした。
最近完成させたフジミの九九艦爆はこの類です。
ところがMA誌の4月号の特集を見て、調べてみた結果、殆どのキットが現行キットとして、しかもとても安い値段で新品購入できることを知ったという訳です。
ここ2~3週間で買い集めたキットをご紹介します。
まずニチモの1/48が4機。
全てに共通した特徴は以下の3つです。
・機体全面の素晴らしいモールド
・エンジン、コックピットの凝ったディテール
・パーツの精度の良さ
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例えば隼を例にすると、比較的新しいハセガワのキットはパネルラインの筋彫りと主なビスやリベットだけで、こんな感じです。
ニチモの隼は、ビッシリと凹リベットが打たれており、リベットとビスの表現もきちんと変えてあります。
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九七艦攻でも同様です。(主翼下面のモールド)
次にエンジンやコックピット回りのディテールです。
これはインストを見ていただくのが判りやすいと思います。
まず隼の例から。
エンジン本体は勿論、吸排気管、補機類や防火隔壁とエンジン架まで再現されています。
コックピットも酸素ボンベ、各種レバー、ペダル類が別パーツになっていて、シートの軽め穴もきちんとモールドされていることが判ると思います。
次は九九式襲撃機の例ですが、これも隼と全く同レベルのディテールです。
ハセガワ、タミヤやエデュワルドなどの最新のキットと比べても勝っているくらいです。
特にエンジン回りは何とかして完成後も見せるようにしたくなります。
写真は割愛しますが九五式練習機のコックピットなんかは鋼管フレームがちゃんと別パーツになっています。
この素晴らしさで1500~1800円程度で新品購入できるんですから、お買い得です。
次はアリイ(旧オオタキ)の陸軍二式戦闘機「鐘馗」です。
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このキット以外にも、旧オオタキでは紫電、P-40などが同レベルの名作です。
鐘馗の垂直尾翼付近のモールドです。
ニチモと同様の緻密さです。
P-40(以前に買って、完成済み)の主翼のモールドです。
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P-40の完成写真ですが、このような見事なリベット表現です。
これで800円ほどで新品購入できるんですから、驚きです。
また、旧オオタキはカラーの綺麗な塗装図が付いているのも嬉しいです。
この塗装図はキットが完成した後、額縁に入れて飾ってもいいくらいです。
ニチモやオオタキのこの素晴らしいモールドを活かすためには、マーキングは極力塗装にすることをお勧めいたします。
写真ではラウンデルが塗装、GAの文字がデカールです。
やはりデカールではいくら馴染ませても、このリベットには馴染みきれません。
GAの文字も塗装にすべきであったことがお判りいただけると思います。
但し、旧オオタキのキットのコックピットのディテールは現在のキットやニチモの水準から見ればやや見劣りがしますが、少し手を加えることで見栄えがするようになります。
この他にフジミなども名作キットを出しています。
機会がありましたら、一度作られてみてはいかかでしょうか。