今、世の中ではSDG’sが盛んに叫ばれて、政治も企業も様々な取り組みを始めています。
SDG’sの重要な要素として「環境問題」があり、17の目標の内、多くがこれに繋がっています。
「環境問題」の中で最も大きな問題は温暖化による気候変動だと思いますが、その次くらいに重要で温暖化の原因のひとつにもなっているのが「プラスチック」の問題かも知れません。
スーパーのレジ袋など、人間の生活の中から少しでもプラスチックを排除していこうという動きが拡がっています。
・製造段階で排出されるCO2
・分解段階で排出されるメタンガス(温室効果はCO2より遙かに大きい)
・燃やせばCO2だけではなく有毒ガスも排出
・廃棄されればマイクロプラスチック
工業製品の素材としての利便性以外には「百害あって一利無し」のような位置づけになってきています。
確かにそれは事実であって、無用(代替え可能)なプラスチック製品を無くしていかなくてはいけないのは間違いないと思います。
そこで、ふと思ったのが、「プラモデルはどうなんだろう???」って事です。
先ずは、プラモデルを「プラスチックの量」という視点で推測してみました。
プラモデルの年間出荷額は2013年で150億円程(タミヤの年商だけで117億円あるのに、そんなに少ない?)だそうですから、平均単価が3000円とすると500万個くらいでしょうか。
1キット当たり平均300gのプラスチックが使われているとして、1500トン位のプラスチックが毎年世の中に出回っていると推測できます。
これを生産するために排出されるCO2量は私には全く判りません。
この他にモデラーが既に抱えているプラモデルがあります。
プラモデル人口の統計が見つからないので、仮定で推測するしかありませんが、継続的にプラモデル作りを趣味としている所謂「モデラー」が、国民の0.1%(1000人に1人)と仮定すると12万人くらいでしょうか。
※500万個の出荷個数のうち半分が流通在庫になっているとして、1人のモデラーが1年間で20個くらいのプラモデルを買う??? ちょっと多過ぎるような気もしますが、まぁ妥当な気もします。
1人のモデラーが完成品100個とストック200個を抱えているとすると、300個×12万人=3600万個
1キット当たり平均300gのプラスチックが使われているとして10,800トン。
こんな風に推測してみると世の中に出回っているプラモデルに使われているプラスチックの総量は多目に見ても1万数千トンくらいなのかな・・・と思います。
これが、「いずれはプラごみ」となって廃棄されるであろう量だと推測できます。
日本のプラごみの排出量(1人当たり年間32kgで世界ワースト2位!)が年間384万トン位ですから、プラモデルは全体の0.3%くらいということになります。
0.1%の人が0.3%を上乗せしている???、これを多いと考えるか、大勢に影響ないと考えるか・・・。
まぁ、今すぐにターゲットになることはないでしょう。
今の世の中の流れで行くと、今後数十年の間に私達の身の回りの大半のプラスチック製品が金属、木、紙、布、その他の新素材などに代替えされて行き、どうしても代替えの出来ない部分だけが残るのではないかと思われます。(多分、今の何十分の一、何百分の一でしょうね。)
そんな流れの中で、プラスチックの塊であり、生活必需品でも無いプラモデルに、いずれはスポットがあたる時が来るのではないかという気がします。
6月4日にプラスチック新法(プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラスチック新法)の概要は?| 環境・CSR・サステナビリティ戦略に役立つ情報サイト おしえて!アミタさん (amita-oshiete.jp))が成立し、来年度には施行されますので、プラモデル業界に何らかの影響が出ることは十分に予測できます。
模型を作って楽しむというホビーは無くならないと思うので、石油系のプラスチックに代わる環境負荷が少なくて再生可能な素材でできた模型キットが開発されて普及するのではないかと想像できます。
その頃には私は模型を作っていないと思いますし、この世にも居ないと思いますが・・・。
世界のプラモデル業界は何かの備えを始めているのでしょうか?
コロナ禍でプラモデルの売り上げがちょっと増えたと言って、喜んでばかりもいられないような気がします。
多分、既に水面下で研究しているのでしょう・・・。
愚にも付かないお話で、申し訳ありませんでした。😅