万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

誰も困らない記者クラブの開放?

2009年09月04日 15時37分03秒 | 日本政治
鳩山新政権は記者クラブ開放という歴史的な一歩を踏み出せるか【週刊 上杉隆】(ダイヤモンド・オンライン) - goo ニュース
 記者クラブとは日本国特有の制度であり、政府とマスコミが癒着することで国民を誘導し、情報操作を行う温床とも指摘されてきました。記者クラブの閉鎖性ゆえに、国民の多くは、加工された二次的な情報にしか接することができなかったのですが、果たして、民主党は、記者クラブの開放を行うのでしょうか。

 そもそも、インターネットが普及した現代という時代には、記者クラブの介在は、国民の政治不信やマスコミへの懐疑の原因ともなります。ブログやサイトを通して政治家が直接国民に語りかけることができる時代にあっては、マスコミが情報を独占することができず、世論操作をしようとしても、そこには自ずと限界があります。むしろ、マスコミで流されている情報と、直接的に発信される情報とが食い違う場合には、そこに、誰かの何らかの意図があることが露見してしまうのです。この側面を考えますと、記者クラブという制度は、既に時代に合わなくなってきているとも言えるのです。

 記者クラブが、国民の疑心暗鬼を招くならば、やはり、政府の情報提供のあり方を、よりオープンな形に改革すべきと言えましょう。政治家にとりましては、発言が曲解されて報じられる危険を避けることができますし、マスコミ側にとりましても、記者クラブからの締め出しという政府側のカードを恐れなくて済むようになります。国民もまた、正確な情報に接することができるようになるのですから、誰も困らないと思うのです。記者クラブの改革は、民主党が掲げる”国民のための政治”の試金石の一つともなるかもしれません。

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コメント (2)
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