EU大統領、人選過熱 欧州の顔、大物か小国からか(産経新聞) - goo ニュース
最後に残ったチェコの批准により、リスボン条約が発効する見通しとなったことで、EU大統領の誕生も確実となりました。EUの政治的な結束を強めるために設置されたEU大統領のポストが、狙い通りの効果を生むのかは、実のところ、未知数でもあります。
何故ならば、大統領ポストそのものが、EUの加盟国間に亀裂や対立をもたらす可能性があるからです。EUの場合には、”大統領”と称されつつも、その実態は欧州理事会の”常任議長”であり、強力な実権が付与されているわけではありません。しかしながら、欧州理事会は、特に外交安全保障政策の分野では、重要な政治的決定機関となりますので、議長である”大統領”の役割は決して小さいものではないのです。この点を考慮しますと、(1)大統領の選出と(2)その後の欧州理事会の運営の両面において、加盟国内に不協和音が生じるかもしれません。”大統領”の候補者に関しては、現に、加盟国の間で駆け引きが続いているようですし、イラク戦争に際して、EU加盟国の外交的な立場が二分されたことは、外交問題における合意の形成が如何に困難であるのかを示唆していました。
政治分野における中央集権の強化は、逆に、EUの加盟国間に分裂要因を抱え込むことでもあります。EUの将来は、もしかしますと、”大統領”の巧みな調整力にかかっているのかもしれません。
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何故ならば、大統領ポストそのものが、EUの加盟国間に亀裂や対立をもたらす可能性があるからです。EUの場合には、”大統領”と称されつつも、その実態は欧州理事会の”常任議長”であり、強力な実権が付与されているわけではありません。しかしながら、欧州理事会は、特に外交安全保障政策の分野では、重要な政治的決定機関となりますので、議長である”大統領”の役割は決して小さいものではないのです。この点を考慮しますと、(1)大統領の選出と(2)その後の欧州理事会の運営の両面において、加盟国内に不協和音が生じるかもしれません。”大統領”の候補者に関しては、現に、加盟国の間で駆け引きが続いているようですし、イラク戦争に際して、EU加盟国の外交的な立場が二分されたことは、外交問題における合意の形成が如何に困難であるのかを示唆していました。
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