万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

軍事判断を優先すべき普天間移設問題

2009年10月30日 12時53分23秒 | 日本政治
嘉手納統合、運用上機能せず=普天間移設問題で米国防総省(時事通信) - goo ニュース
 軍事基地とは、古今東西を問わず、”要衝”と判断された地政学上の最適位置に建設されるものです。この点を考慮しますと、嘉手納統合では機能不全となるとするアメリカ政府の見解を、日本国政府は重く受け止めるべきではないかと思うのです。

 基地をめぐっては、建設反対運動や移転要求運動などが起きますと、とかくに軍事的な判断よりも、政治判断が優先されがちです。政治家は、平和主義をアピールしり、政治家としての存在感を示すために、軍事戦略を後回しにしてしまうのです。基地の存在によって被害を受けている沖縄の住民の負担を軽減し、相応の保障を行うことは当然のことなのですが、基地そのものを最適地から動かすことには問題があります。同盟国であるアメリカ軍の機能が低下すれば、自国の防衛にマイナス影響がないわけはありません。防衛レベルの低下は、国家の存立を危うくし、沖縄県民のみならず、全ての国民を危険に晒すことになるのです。

 普天間基地の移設問題については、民主党政権は、マニフェストに拘ることなく、専門家による戦略上の判断を優先すべきと思うのです。最適地から基地を動かした結果、領土が占領されたり、国が滅んでは、亡国の決断となるのではないでしょうか。

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コメント (3)
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