爆発的に経済成長する法:大前研一(ビジネス・ブレークスルー代表取締役)(1)(Voice) - goo ニュース
ケインズ主義やマネタリストの古典的な手法が、経済のグローバル化という現実を前にして効果は期待できないことは、確かにその通りかもしれません。しかしながら、「湾岸100万都市構想」が日本経済の爆発的な経済成長を約束するのか、と申しますと、そうとばかりは言えないようです。
(1)ゴ―ストタウン化
如何なる都市開発も、それが経済活動の実質を伴わない限り”箱もの”となり、ゴーストタウン化する可能性があります。日本経済が真の強さを回復するか、あるいは、アジア経済が安定した成長を続かない限り、アジアの拠点としての東京の価値は評価されないかもしれません。都心の高層ビルでも空きオフィスがある現状では、心もとありません。
(2)区民の負担増
この構想では、区の発行した区債によって資金を調達するとしています。3000兆円のホームレス・マネーを引き寄せることはできるかもしれませんが、債権を発行すれば、何れ、償還と利払い(年利4%)をせねばなりません。その費用は、区民にかかってきますので、将来的な増税も大いにあり得ることです。
(3)他の地域の地盤沈下
”100万都市”が湾岸地域に出現し、しかも、市価よりも低価格で高級住宅が提供されるとなりますと、他の地域では不動産の価格破壊を招くかもしれません。また、相当数の人口が湾岸地区に移動するとなりますと、他の地域の経済は衰退してしまいます。
(4)住民の選別
もし、便利で快適な高級住宅に”ただ”同然で住めるとしますと、希望者は殺到するはずです。キャパシティーには限界がありますので、誰もが納得する入居条件を定めることは、簡単なことではありません。公的な事業ですので、住める人と住めない人との間で著しい不公平が生じることは問題となりそうです。それとも、アジア市場の拠点を想定するならば、外国人専用となるのでしょうか?
以上に問題点を挙げてみましたが、いざ具体化しようとしますと、この「湾岸100万都市構想」には、さらなる問題が続出しそうです。むしろ、氏が指摘するように、日本企業の技術が宝の持ち腐れであるならば、それを生かす道を探ったり、政府の余計な規制があるならば、それを緩和する方が、経済効果は高そうです。まずは、未来都市構想を描くよりも、経済活動の活性化に努めるべきと思うのです。
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(1)ゴ―ストタウン化
如何なる都市開発も、それが経済活動の実質を伴わない限り”箱もの”となり、ゴーストタウン化する可能性があります。日本経済が真の強さを回復するか、あるいは、アジア経済が安定した成長を続かない限り、アジアの拠点としての東京の価値は評価されないかもしれません。都心の高層ビルでも空きオフィスがある現状では、心もとありません。
(2)区民の負担増
この構想では、区の発行した区債によって資金を調達するとしています。3000兆円のホームレス・マネーを引き寄せることはできるかもしれませんが、債権を発行すれば、何れ、償還と利払い(年利4%)をせねばなりません。その費用は、区民にかかってきますので、将来的な増税も大いにあり得ることです。
(3)他の地域の地盤沈下
”100万都市”が湾岸地域に出現し、しかも、市価よりも低価格で高級住宅が提供されるとなりますと、他の地域では不動産の価格破壊を招くかもしれません。また、相当数の人口が湾岸地区に移動するとなりますと、他の地域の経済は衰退してしまいます。
(4)住民の選別
もし、便利で快適な高級住宅に”ただ”同然で住めるとしますと、希望者は殺到するはずです。キャパシティーには限界がありますので、誰もが納得する入居条件を定めることは、簡単なことではありません。公的な事業ですので、住める人と住めない人との間で著しい不公平が生じることは問題となりそうです。それとも、アジア市場の拠点を想定するならば、外国人専用となるのでしょうか?
以上に問題点を挙げてみましたが、いざ具体化しようとしますと、この「湾岸100万都市構想」には、さらなる問題が続出しそうです。むしろ、氏が指摘するように、日本企業の技術が宝の持ち腐れであるならば、それを生かす道を探ったり、政府の余計な規制があるならば、それを緩和する方が、経済効果は高そうです。まずは、未来都市構想を描くよりも、経済活動の活性化に努めるべきと思うのです。
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