小沢氏、臨時国会で官僚答弁容認 首相の「安全運転」配慮?(産経新聞) - goo ニュース
”脱官僚”を掲げて政権を獲得したこともあって、民主党は、国会での官僚の答弁を禁止する方針を示してきましたが、ここにきて、この方針は撤回されるようです。その背景には、政治家の準備不足も指摘されそうですが、そもそも、官僚の答弁を禁じること自体が、以下の諸点を考慮しますと、不合理なことのように思えるのです。
(1)全体の奉仕者
官僚を含む公務員とは、憲法第15条2項によれば、「・・・全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」と定めており、第一義的には、政治家ではなく、国民に対して責任を負っています。公務員として奉職するにあたっては、これを確認する宣誓もあるはずです。つまり、この条文は、むしろ、政治家であれ民間人であれ、恣意的あるいは不当な介入から、行政部を守ろうとしているとも言えます。
(2)法の誠実な執行機関
行政機関とは、法律を誠実に執行するために設けられている国家機関です。三権分立論では、議会が法を制定し、行政府が法を執行するものとして、両者の間に役割分担を設けています。この点にからしますと、行政機関は、法さえあれば、日常的な業務において政治家からの指示を逐次受ける必要はないのです。
(3)独立的な行政機関
官僚組織には、政治からの独立性が保障されている機関があります。今回、答弁を許されたという公正取引委員会もその一つです。官僚による答弁を全面的に禁じるとしますと、独立的な行政機関の中立性や公平性が損なわれる可能性があります。
以上の点を考えますと、政権与党が完全に官僚組織を掌握する体制にも問題がありそうです。確かに、安全保障や外交など、国家の主権にかかわる戦略的な政策の決定を、官僚に任せることは、民主主義の観点からは望ましくありません。しかしながら、政治による官僚支配と官僚による政治支配の双方に弊害があるのですから、上手な棲み分けが必要です。国会答弁においても、質問の内容に即して、誰が応えるべきかを決めればよいのではないかと思うのです。
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(1)全体の奉仕者
官僚を含む公務員とは、憲法第15条2項によれば、「・・・全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」と定めており、第一義的には、政治家ではなく、国民に対して責任を負っています。公務員として奉職するにあたっては、これを確認する宣誓もあるはずです。つまり、この条文は、むしろ、政治家であれ民間人であれ、恣意的あるいは不当な介入から、行政部を守ろうとしているとも言えます。
(2)法の誠実な執行機関
行政機関とは、法律を誠実に執行するために設けられている国家機関です。三権分立論では、議会が法を制定し、行政府が法を執行するものとして、両者の間に役割分担を設けています。この点にからしますと、行政機関は、法さえあれば、日常的な業務において政治家からの指示を逐次受ける必要はないのです。
(3)独立的な行政機関
官僚組織には、政治からの独立性が保障されている機関があります。今回、答弁を許されたという公正取引委員会もその一つです。官僚による答弁を全面的に禁じるとしますと、独立的な行政機関の中立性や公平性が損なわれる可能性があります。
以上の点を考えますと、政権与党が完全に官僚組織を掌握する体制にも問題がありそうです。確かに、安全保障や外交など、国家の主権にかかわる戦略的な政策の決定を、官僚に任せることは、民主主義の観点からは望ましくありません。しかしながら、政治による官僚支配と官僚による政治支配の双方に弊害があるのですから、上手な棲み分けが必要です。国会答弁においても、質問の内容に即して、誰が応えるべきかを決めればよいのではないかと思うのです。
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