万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

二正面のモンスターと闘う財務相

2009年10月01日 17時54分00秒 | 国際経済
日本政府の通貨政策が一貫していないという批判は(フィナンシャル・タイムズ) - goo ニュース
 藤井財務相の発言が影響してか、円相場が急騰し、あわてて大臣が前言を修正するという一幕がありました。この一連の騒ぎは、二正面のモンスターと同時に闘わなければならない日本国の厳しい現状を表していると思うのです。

 二正面のモンスターとは、一方を”政府系モンスター”としますと、もう一方は”民間系モンスター”となります。”政府系モンスター”とは、中国や韓国といった輸出拡大のために為替操作を行っている国であり、”民間系モンスター”とは、ヘッジ・ファンドなど、投機的な通貨取引を行うことで、莫大な利益を得ようとしている金融機関や投機家のことです。自由貿易主義の原則からしますと、政府の市場不介入が望ましいのですが、全く介入しないとなりますと、これらのモンスター達が大暴れするかもしれないのです。

 為替市場には、為替相場を撹乱するモンスター達が生息していることを考えますと、日本国政府は、為替市場の取引情報を収集した上で、”政府系モンスター”には為替操作の停止を、”民間系モンスター”には投機行為の抑制を訴え、対抗措置としての介入を示唆すべきなのではないかと思うのです(中央銀行の政策協調の提案も必要かもしれない・・・)。国際貿易の不均衡は、歪みの原因を取り除かなければ治らず、日本国政府も不均衡是正と金融危機の防止に一役買うべきなのではないでしょうか。

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コメント (4)
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