万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

国債発行は民間頼み

2009年10月29日 17時24分41秒 | 国際政治
長期金利の上昇続く 鳩山政権下、財政再建に不安(朝日新聞) - goo ニュース
 政府は、”景気回復は政府の仕事”とばかりに、積極的な財政政策を採用しがちです。民主党政権もご多分にもれず、来年度の予算は95兆円にも膨らみそうで、国債発行も抑えた見積りで44兆円とも報じられています。

 政府の大盤振る舞いは威勢がよく、国民にも頼もしく映るかもしれません。しかしながら、国債発行による景気対策は、表面からは政府主導型と見えて、実は、民間の金融機関に国債を購入してもらわねばならない、という側面において、民間頼りの政策と言えます。政府が、無理に金融機関に国債購入を迫りますと、後に国債の金利や価格の変動することがあれば、金融機関に損失を与えますし、もし、金融機関が国債の購入を控えたり、大量売却を行うとしますと、今度は、政府が、窮地に立たされます。さらに、資金需要が拡大する時期に、金融機関が自由になる資金を持たないことは、景気の足をひっぱることになります。つまり、政府にとっても、民間金融機関にとっても、国民にとっても、国債の発行は、将来的なリスクを抱え込むことになるのです。

 この点を考慮しますと、政府は、財政再建の方向に舵を切る方が、賢明であるかもしれません。国債発行に伴うリスクを考えますと、国民は、マニフェストの変更は許容するのではないでしょうか。

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コメント (4)
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