万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

経済の相互依存論はチャイナ・リスクを隠す

2010年10月03日 14時38分36秒 | 国際経済
インタビュー:中国も大国としての責任を=仙谷官房長官(トムソンロイター) - goo ニュース
 尖閣諸島の危機による日中間の対立激化を受けて、経済に悪影響を与えるとして、関係改善を求める声も聞かれます。その理由として、中国との経済的な相互依存関係が挙げられていますが、一人勝ちを目指す中国の態度を見る限り、相互依存関係は成立していないと思うのです。

 中国の元安政策に業を煮やしたアメリカ議会が、ついに中国に対する制裁法を成立させたように、中国の台頭は、必ずしも貿易相手国の利益とはなっていません。日本国の企業も、13億の市場に幻惑されつつも、実際には、雇用の流出や安価な中国製品との競争に苦しんでいます。雇用の流出は、即、国民所得にも跳ね返りますので、購買力の低下とデフレに歯止めがかからないのです。

 もし、中国が、自国通貨安、低賃金政策、利己的通商政策、外資規制…を継続するならば、中国は、公平性を無視し、ルール違反を繰り返す市場の無法者でしかありません。政治と経済両面において、今や、中国は、危機の震源地になりつつあります。相互依存論を持ち出してリスクを隠すよりも、正面から中国に圧力をかけ、このリスクの排除に努めるべきと思うのです。

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コメント (4)
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