万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

勇気ある決断をしたノーベル賞委員会にもノーベル平和賞を

2010年10月09日 11時26分13秒 | 国際政治
「大国にひるまず」全会一致…ノーベル賞委員長(読売新聞) - goo ニュース
 中国の言論弾圧を受け、獄中にあった劉暁波氏のノーベル平和賞受賞は、民主化を願う中国の人々に希望をもたららしたに違いありません。そうして、この受賞の陰には、ノーベル賞委員会の勇気ある決断があったことも、忘れてはならないと思うのです。

 中国政府の不当な圧力に屈せず、自らの犠牲をも省みずに民主主義と自由を擁護する姿勢は、劉氏にもノーベル賞委員会にも共通しています。暴力や権力欲が支配する世界よりも、人々が自由に物事を考え、パブリックに公益が論じられる世界、そうして、それが政治的な自由と堅く結びついている世界は、人類にとって望ましいことは論を俟ちません。信念をもって民主化のために尽くす自己犠牲の精神は、人々の心を打つものです。一方、中国政府は、自らの一党独裁体制を維持するために、国民の方を犠牲にしているのです。

 世界中の多くの人々は、不屈の精神を示した劉氏とノーベル賞委員会に対して、賞賛を惜しまないことでしょう。今年のノーベル平和賞は、この両者にこそ捧げられるべきと思うのです。

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コメント (2)
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