万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

民主党政権―ご近所づきあい感覚の対中外交

2010年10月05日 15時45分32秒 | 国際政治
菅首相「やあやあ」という感じ=急きょ日中首脳会談も演出?(時事通信) - goo ニュース
 ASEMが開かれているブリュッセルで、関係悪化著しい日中の両首脳が、飛び入りの会談を持ったと報じられています。もちろん、用意周到な中国のことですから、この会談も偶然を装った演出の可能性が高いと指摘されているのですが、日本国側の意識の低さには、危機感を覚えざるを得ません。

 突然の日中首脳会談も演出説が有力なように、中国側の行動は、全て計算しつくされています。おそらく、尖閣諸島沖での事件もまた、一般の漁民による偶発的な出来事では決してなく、その背後には、尖閣諸島の領有と東シナ海の支配を狙う中国側の深謀遠慮があるはずです。にこやかな温首相の態度は、日本国民の対中感情の悪化や経済への悪影響を考慮した一時的な軟化であり、最終的な目的を放棄したとは思えないのです。

 仙谷官房長官に至っては、中国とは”二千年の付き合いだから、ときどきハレーションも起こる”と発言し、まるで、ご近所づきあいの感覚です。中国には、軍事力に加えて、権謀術数や姦計を駆使して周辺諸国を属国化した歴史があるのですから、中国の覇権主義的な国家戦略こそ、見据えるべきであると思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。


にほんブログ村 政治ブログへにほんブログ村

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする