万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

中国民主活動家の受賞の行方―選考委員会も脅しに屈するのか

2010年10月08日 11時33分10秒 | 国際政治
中国民主活動家が最有力か=8日発表のノーベル平和賞(時事通信) - goo ニュース
 いよいよ本日、ノーベル平和賞の受賞者が発表されますが、最有力候補とされているのは、中国の民主活動家である劉暁波氏とのことです。ところが、ここでも、中国は、ノルウェー・ノーベル賞委員会を脅しているというのです。

 最近の中国外交は、交渉や話し合いから逸脱した”脅迫”が常態化し、意に沿わない外国に対しては、力でねじ伏せようとする傾向にあります。ノーベル賞の選考も、中国の見境のない介入により政治問題化しつつあり、平和賞そのものが、平和の危機を象徴するかのようです。もし、軍事力を背景に、平和賞が捻じ曲げられ、受賞者が決定されるとするならば、平和賞の意味は、無に等しくなります。そのうち、中国は、胡主席と温首相のダブル受賞を求めるかもしれません。世界平和に貢献したとして…。

 中国の圧力を背景に、平和賞への関心は、誰が平和賞を受賞するか、よりも、ノルウェーのノーベル賞選考委員会が、中国の圧力に抵抗するか、否かに、自ずと焦点が移ってきます。中国政府の弾圧に屈せず、民主化を主張した劉氏を評価した選考委員会が、自らはその政府の圧力に負けるとなりますと、ノーベル平和賞は、平和の破壊者に対して膝を屈することになるのではないでしょうか。

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