万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

中国の”侵略パターン”は読まれている

2010年10月22日 11時28分54秒 | アジア
中国が尖閣資源の共同開発要求 日本、即刻拒否(共同通信) - goo ニュース
 尖閣問題棚上げ論の提案のみならず、中国は、尖閣資源の共同開発まで要求しているそうです。中国政府は、こうした見え透いた提案に、相手国の政府が乗ってくると、本気で期待しているのでしょうか。

 最近の中国の行動パターンは、既に諸外国から読まれている段階にあります。尖閣諸島沖での事件も、工作漁船の展開(海上民兵?)⇒漁業監視船の派遣⇒相手国漁船の拿捕⇒実効支配という、”侵略計画”の流れの一環にあることは、西沙諸島や南沙諸島の事例から分かっています。そうして、”棚上げ”や”共同開発”の提案という手法も、実効支配までの時間稼ぎや領土問題化への布石であり、あわよくば、領域の折半まで持ち込もうとする、したたかな戦略に基づくものであることも明らかです。あるいは、東シナ海のガス田のように、中国側が、尖閣沖で一方的な資源採取を行う口実に使われるかもしれません。

 にも拘らず、もし、日本国政府が、中国の侵略的な意図を知りながら、”日中関係の改善”という甘い言葉につられて、中国の提案を受け入れるとしますと、それは、相当に愚かであるか、あるいは、売国行為の確信犯であるかのどちらかなのではないでしょうか。


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コメント (2)
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