万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

尖閣ビデオ―悪事を隠すことは禍のもと

2010年10月29日 15時18分46秒 | 国際政治
自民「尖閣ビデオ全編提出を」 2時間→6分「改竄可能性も」(産経新聞) - goo ニュース
 民主党政権は、6分間の尖閣ビデオの公開にさえ”及び腰”のようです。事件発生当初は、中国側もビデオの公開を求めていましたが、案の定、政府が衆議院にビデオを提出した途端に不快感を伝えてきたと報じられていますので、おそらく、中国側への配慮、あるいは、密約?が、民主党の消極的な態度の理由なのでしょう。

 しかしながら、自らが行った行為に対して責任を採ることが、現代社会の倫理にかなった態度であるとしますと、中国の要求を飲んで、ビデオを非公開としますと、悪事がまかり通る”暗黒社会”を認めたにも等しくなります。悪事を働いても、被害を受けた国に圧力をかけて”なかったことにできる”となれば、今後も、同様の事件が相次ぐことになります。誰にも咎められないのですから。尖閣ビデオの非公開は、中国の悪事に加担することであり、自らも危険な”暗黒社会”に引きずり込まれることになるかもしれないのです。

 相手の悪事を隠しますと、やがて、それは自らにも禍となって返ってきます。地獄の淵に立たされている日本国政府は、健全で道理にかなった国際秩序の構築に向かうべく、尖閣ビデオの全録画を内外に公開すべきと思うのです。

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