万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

ノルウェー制裁―自らの墓穴を掘る中国

2010年10月15日 11時14分37秒 | 国際政治
ノルウェーに「制裁」、中国「誤ったノーベル賞支持」(朝日新聞) - goo ニュース
 中国政府は、劉暁波氏のノーベル平和賞受賞に対して、「誤ったノーベル賞支持」を理由にノルウェーに対して制裁を科すと公言しています。この勢いでは、”一つの中国”への支持を他国に強要しようとしてきたように、あらゆる分野において、自らの政策方針に反する見解を示した諸外国に対して、露骨な制裁を加えてきそうです。

 この中国の強硬な態度は、自らの墓穴を掘ることになったのではないでしょうか。何故ならば、中国が、強大な軍事力と経済力を笠に着て、強硬な制裁措置をとればとるほど、自国が、反平和主義の暴力的な国家であることを、自らの行動で示したことになるからです。それは同時に、現体制を批判した劉氏の平和賞受賞の正当性を証明することに他なりません。中国のリアクションによって、国際社会は、ノーベル賞委員会の判断と受賞の正しさを確信することになったのです。

 隣国中国が、一連の事件を通して反平和主義の国家であることが明るみになった以上、日本国もまた、毅然とした姿勢を貫いたノルウェーを支持し、暴力主義の国とは対峙すべきです。平和主義と法の尊重に根ざした戦後の努力が、中国によって台無しにならないように。

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コメント (2)
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