万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

「日本に資格なし」―中国の言い訳は不当

2010年10月18日 17時51分31秒 | 国際政治
中国、為替問題で菅首相を批判 「日本に資格なし」(共同通信) - goo ニュース
 各国から厳しい批判を受けている中国の元安政策。中国政府は、日本も元安で利益を得ているとか、あるいは、日本国も円安誘導の為替介入を行っていると主張し、我が国を盾として国際非難をかわそうとしてるようです。

 元安によって不当に廉価となった中国製品の輸入を受けて、国内では、日本企業の多くが、価格競争で苦戦を強いられていますし、何よりも、生産拠点の移転による雇用流出の危機に直面しています。また、円高の有利性は、中国の資本市場が閉鎖的である限り、中国市場では十分には活かしきれない状況にあります。日本国の円高是正のための介入も、元を訪ねれば、中国の通貨安政策に日本経済が耐えきれなくなった結果でもあります。

 中国政府が、元安政策を放棄すれば、日本国も含めて多くの国々が、”近隣窮乏化政策”の如くに、為替介入を行う必要性が低下します。自国通貨安誘導政策は、全ての国が一斉に止めなければ意味がなく、このまま利己的な中国の通貨政策を放置しますと、国際経済の歪が大きくなるばかりと思うのです。


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コメント (2)
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