万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

天安門事件に及び腰のマスコミ

2011年06月06日 15時22分28秒 | アジア
内モンゴル、リーダーなき反抗 ネット・携帯でデモ拡大(朝日新聞) - goo ニュース
 中国当局は、22年前の6月4日という日に起きた事件の記憶を、どうにか消し去ろうと必死のようです。しかしながら、あの日、人民解放軍の戦車の前に立ちはだかった青年の姿を、中国人の多くは、決して忘れることはできないのではないでしょうか。

 残念なことに、我が国においても、今年は中東諸国で民主化運動が起きているにも拘らず、何故か、天安門事件に関する報道が少ないように感じます。香港では、大規模な追悼集会が開かれたようですが、中国国内の一般的な国民の反応や行動については、詳しい報道はありません。その一方で、比較的大きく報じられたことは、中国当局が、犠牲となった学生の母親達の会に対して、買収工作を行っているという記事でした。こうした情報から垣間見える中国政府の方針とは、天安門事件が人々の意識に上るのをネット規制やお金の力で抑え込み、民主化運動を徹底的に封じ込めようというものです。

 グーグル・ニュースでも、”天安門事件”という言葉の付くニュース記事は見当たらず、日本国内でも、中国当局の意向が働いているのか、心配になります。このままでは、中国が”密室”と化し(密室化されると残虐行為が隠される・・・)、中国国内で何が起きても、外国では誰も知らない、という事態になりかねません。マスコミは、中国の民主化を支援するためにも、中国国内の状況を、務めてオープンに報道すべきと思うのです。

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コメント (1)
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