万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

労組は脱原発・再生エネ法案に反対すべきでは

2011年06月29日 15時26分27秒 | 日本政治
首相が辞任3条件明言 具体的な辞任時期は示さず(朝日新聞) - goo ニュース
 マスコミなどでは、菅首相は、退陣三条件の一つに再生エネ法の成立を挙げ、脱原発解散まで目論んでいるとする憶測が流れています。民主党の有力な支持基盤は労組のはずなのですが、これらの政策が実現した場合、最も手痛い打撃を受けるのは、一般の労働者の人々なのではないかと思うのです。

 何故ならば、再生エネ法案も脱原発も、共に、電力料金の大幅値上げと電力供給の不足を引き起こしますので、国外から製造拠点が流出する可能性が高まるからです。実際に、こうした状況を嫌って、既に海外への生産移転を決定した企業も出現しており、産業の空洞化に伴う雇用の流出は、絵空事ではなく、現実の問題です。にもかかわらず、政府は、この危機をさらにエスカレートさせる方針を示しているのですから、労組が民主党を支持することは、自らの利益に相反する、不可思議な現象と言わざるを得ないのです。

 震災による失業に加えて、過激なエネルギー政策の転換による失業も増加するとしますと、我が国の雇用状況は一気に悪化し、国民の生活も苦しくなります。家庭内での節電は許容範囲であっても、所得の源である職を失うとなりますと、深刻さの次元も違ってきます。首相の自己保身のための政策を無条件に支持する必要はなく、労組こそ、こうした政策には反対すべきではないかと思うのです。

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コメント (10)
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